目次
はじめに
英語学習をしていると出てくる「形容詞」や「副詞」などの「品詞」。
それぞれどういう違いがあるかわからずに英語学習を進めていませんか?また、「品詞って英語上達に不必要なんじゃないの?」と思っていませんか?
英語をマスターするには「品詞」の理解が必須です。品詞の知識をつけることで、英語の型や構造が見えるようになり、またネイティブと同じような感覚を身に着ける土台ができます。
この記事では、下記について具体例を交えながら説明していきます。
- そもそも「品詞」とは何か
- なぜ学ぶ必要があるのか
- 全8種類の品詞の特徴と違い
品詞ってなに?学ぶ必要あるの?
品詞とは?
そもそも品詞とはなにか、から説明していきます(品詞は何か知ってるよ!という方は、こちらから各品詞の解説を見れます)。
品詞とは、「文中のことばを、その機能で分類したもの」です。
英語の文章を単語で分けた時に、それぞれの単語はある一定の機能・役割を持っています。
この機能・役割を分類したものが「品詞」と呼ばれます。
品詞は、伝統的に8つに分類されます。
品詞はなぜ学ぶ必要がある?
これらの品詞はなぜ学ぶ必要があるのでしょうか。
それは、「品詞を理解することで、英語の語順を理解できるようになる」からです。
英語とは、「言葉の並べ方で意味が決まる」言葉です。英語にはいろんな単語がありますが、これらの単語を色んな順番で並べることで、意味を表します。
日本語では、「て」「に」「を」「は」という助詞があって、これを言葉にペタペタとくっつけることで、その言葉の役割を示します。
私は本を買った。
この時、助詞「は」がくっついている「私」が主語、助詞「を」がついている「本」が目的語、といったように、この助詞によって役割を見分けています。その証拠に、次のように言葉を並び替えても意味が分かりますよね。
本を 私は 買った。
私は 買った 本を。
本を 買った 私は。
英語は、この主語や目的語を、「その単語の場所」で表します。
I bought a book.
私は本を買った。
一番初めに主語、次に動詞、その次に目的語を置く、といったように、言葉を順番に置いていくことで意味をなします。
そのため、場所を変えてしまうと意味が分からなくなります。
A book bought I. ※
本が私を買った。
※本来は目的語の位置に来る"I"は"me"となるが、ここではあえて"I"のままとしている。
これだと全く意味が分からなくなります。
このように、「英語は言葉の配置が意味を決める」のです。
そして、品詞は「配置」と大きく関係します。
例えば、主語の位置(通常は文章の一番初め)には「名詞」がくる、次には「動詞」がくるなどです。
このように、場所によっておくことのできる品詞は違うのです。
品詞を学ぶことで、「この場所にはこの単語を配置できる」「ここにはこの単語は置くことができない」ということが分かります。
つまり品詞がわかれば、英語の語順が簡単に分かるようになるため、リーディング・リスニング・ライティング・スピーキングの4つの能力が飛躍的に向上するのです。
また、英語を勉強していくと当然のように品詞名が出てきます。
例えば「to不定詞の形容詞的用法」という文法が出てきますが、そもそも「形容詞」というものについての知識がないと意味が理解しづらいです。そのため、文法を学ぶ基礎として品詞を学習することで、その後の学習がとてもスムーズに進みます。
さて、学ぶべき理由が分かったところで、品詞を一つ一つ見ていきましょう。
8種類の品詞
名詞 noun
名詞とは、「ものごとや人の名前を表す」ことばです。
例えば、dog(犬)やteacher(先生)、movie(映画)など。
「名前」と言いましたが、「犬」「コーヒー」などの具体的なものの名前だけでなく、kindness(親切さ)、peace(平和)などの抽象的なものの名前も表せます。
英語において、名詞は次のように区別することが重要です。
- 可算名詞:数えられるものを表す名詞
例:cat(ねこ)、cup(コップ)、chair(椅子)、person(人)、car(車)など - 不可算名詞:数えられないものを表す名詞
例:happiness(幸せ)、water(水)、air(空気)、peace(平和)など
「可算名詞」については、"a/an"という「冠詞」を付けたり、複数形にしたりして「ひとつなのか、複数あるのか」という区別をします。
前置詞 preposition
前置詞とは、「あるものとの空間的・時間的な関係性を表すことば」です。前置詞とはその名前の通り、名詞の前に置かれます。
説明が少しわかりにくいと思うので、実際に前置詞が使われている例文を見てみましょう。
I was studying at the library at 3 p.m. yesterday.
私は昨日の午後3時に図書館で勉強をしていた。
atは「点」を表す前置詞です。
1つ目の"at"は、"the library(その図書館)"という名詞の前に置かれて、「その図書館で」という場所を表しています。「点」を表す前置詞が「場所」を意味する理由は、Google Mapの赤いピンが場所を表すことを考えると分かりやすいかもしれません。ある地点=場所を表すのですね。
2つ目の"at"は、「午後3時」という時点を表しています。これも「点」の意味ですね。
I put my bag on the table.
私はそのテーブルの上にカバンを置いた。
onは「接触」を表す前置詞です。この例文では、「テーブルに接触させて」かばんを置いたという意味で、"on"が使われています。
このように、空間的・時間的なの関係性を表すのに前置詞が使われます。
他にもfor, in, to, betweenなど多くの前置詞があります。これらの説明は別の記事で解説します。
代名詞 pronoun
代名詞は、その名の通り「名詞の代わりに使われることば」です。この代名詞は、次の7つです。
・I
・we
・you
・she
・he
・it
・they
これらは、人や物を指して、その代わりに使われることばですよね。
例文で理解していきましょう。
I met Tom yesterday. He looked tired.
昨日Tomにあった。彼は疲れているように見えた。
Tomの代わりに、"He"ということばが使われています。
I bought a lot of pens. They were reasonable.
たくさんのペンを買った。それらは手ごろな値段だった。
*reasonable: (値段が)手ごろな
こちらも、"pens"の代わりに、"they"という単語が使われていますね。
このように人やものを指して、その代わりに使われるのが代名詞です。
動詞 verb
動詞
動詞は、「動作や状態を表すことば」です。
例文を見てみましょう。
I visited Australia last week.
先週オーストラリアを訪れた。
これはvisit(訪れる)という動作を表しています。
He is rich.
彼はお金持ちだ。
これは、いわゆるbe動詞と呼ばれるものですね。このbe動詞は「状態」を示しています。"rich"な状態だということですね。
She studies a lot.
彼女はとても勉強する。
こちらはstudy(勉強する)という動作を表しています。
Jack looks sad.
Jackは悲しそうに見える。
この文章では"look"という単語は「見る」という動作ではなく、「~というように見える」という意味を示しています。動作ではなくて、様子(状態)を表す動詞としてここでは使われています。
これらの例文から、「動作」と「状態」を表す動詞があることが分かりますね。
実は動詞はこの「動作」と「状態」の動詞に大きく分けられるのです。
- 動作動詞:「動作」を表す動詞
例:move(動く), run(走る), eat(食べる), drink(飲む), sit(座る), fly(飛ぶ), get(手に入れる)など - 状態動詞:「状態」を表す動詞
例:like(好む)、believe(信じる)、have(持つ)、know(知っている)
こう見ると「状態動詞」と「動作動詞」の区別はつきづらいかもしれません。knowも「~を知る」という動作とも言えそうですよね。
簡単に言うと、「動作動詞」は動きや変化を表す動詞、「状態動詞」はあまり変化がなく、一定の状態を保っていることを表す動詞と覚えましょう。例えばknowというのは「~を知っている」という「一定の状態」であまり変化がないですよね。likeも同様、「~が好きだ」という意味で使われますが、これも「好き」という「一定の状態」を表します。
ただ、「この動詞は動作動詞」「この動詞は状態動詞」というように分けることはできません。動詞の中には「動作」と「状態」両方の意味で使われることがあるものもあります(先ほどの例文で出てきた"look"が一例です)。
助動詞
動詞にカテゴライズされる、「助動詞」についても少し見ておきます。
助動詞は、その名の通り「動詞を助けることば」です。
canやmust, shouldなどが助動詞です。
「動詞を助ける」というのはどういう意味か、例文で理解していきましょう。
I can swim.
私は泳ぐことができる。
"can"があることで、単に「泳ぐ」のではなく、「泳ぐことができる」という意味になっています。この「能力」という意味を動詞に付加していますね。
You must study before dinner.
あなたは夕食前に勉強しなければならない。
この文章でも「勉強する」のではなく、「勉強しなければならない」という義務の意味を付加しています。
He should talk more slowly.
彼はもっとゆっくり話すべきだ。
これも同様で、「~すべきだ」という必要性のような意味が加わっています。
どうでしょうか。
全て動詞に対して「~できる」「~すべき」「~しなければならない」という意味を付加しています。
このように動詞を「助け」、色々な意味を表すのが助動詞の役割です。
自動詞と他動詞
次に、この動詞の中でも重要な概念「自動詞」と「他動詞」について説明します。
英語を学習する上でもかなり重要な概念なので、ぜひ覚えてください。
自動詞とは「それだけで成り立つ動詞」、他動詞とは「対象となる何かが必要な動詞」です。
例えば、「走る」という動詞と、「買う」という動詞を例にとって考えてみましょう。次の文章を読んで、どう感じるでしょうか。
私は走った。
私は買った。
1つ目の「私は走った」という文章はそのまま理解できますよね。2つ目の「私は買った」という文章は、少し不自然な感じがしませんか?「何を買ったの?」と思うと思います。
つまり、「走った」という動詞はそのまま使えますが、「買った」という動詞はそれだけでは使えず、「何を」という対象(=目的語)が必要ですよね。「私は本を買った」というのが自然です。
「走る」のような、それだけで文章が成立する動詞を「自動詞」、「買う」のような「何を/何に」という対象が必要な動詞を「他動詞」と呼びます。
日本語で説明しましたが、英語でもこの考え方は同じです。
ちなみに「他動詞」はtransitive verb、「自動詞」はintransitive verbと呼びます。辞書で引くとこのような単語が書かれていることもあるので、覚えておくと便利かもしれません。
他動詞なのに目的語がなかったり(「私は買った」のように)、自動詞なのに目的語があったり(「私は駅を走った」など)すると不自然な文章になります。「この動詞は目的語が必要なのかどうか?(他動詞なのか自動詞なのか?)」を気にしておくと、英語の上達もはやくなります。
形容詞 adjective
形容詞は、「名詞を修飾することば」です。
修飾とは、「説明を付け加える」という意味です。
例えば、beautiful(美しい), cute(かわいい), rich(お金持ちな), great(すばらしい)などが形容詞にあたります。
これらはすべて、名詞を説明することができます。
a beautiful house
美しい家
a cute cat
かわいい猫
a rich person
お金持ちな人
a great soccer player
素晴らしいサッカー選手
このように名詞を修飾するのが形容詞の役割です。
また、形容詞"A"がある名詞"B"を修飾している場合、「AはBにかかっている」という表現をすることもあります。
"a rich person"だと、"rich"という形容詞が"person"という名詞にかかっていると言えます。
副詞 adverb
副詞とは、「形容詞や副詞、動詞を修飾することば」です。
easily, quietly, fast, very, hereなどの単語が副詞にあたります("-ly"という形の副詞が多いです)。
例文で見てみましょう。
I can solve the problem easily.
私はその問題を簡単に解くことができる。
"easily(簡単に)"という副詞が、"solve(解く)"という動詞を修飾(説明)していますね。
I entered the room quietly.
私は静かにその部屋に入った。
"quietly(静かに)"という副詞が、"entered(はいった)"という動詞を修飾しています。
He can run very fast.
彼はとても速く走ることができる。
"very"と"fast"両方副詞です。
まず"fast(速く)"という副詞は、"run(走る)"という動詞を修飾しています。"very(とても)"という副詞は、"fast(速く)という副詞を修飾しています。
The dog was very big.
その犬はとても大きかった。
ここでは"very(とても)"という副詞が、"big(大きい)"という形容詞を修飾しています。
I came here.
私はここに来た。
"here(ここに)"という副詞は、"came(来た)"という動詞にかかっていますね。
このように、副詞は動詞や形容詞、副詞を修飾することが可能なのです。
形容詞との違いですが、副詞は名詞を修飾できません(「簡単に本」とは言えないですよね)。この違いも重要なので覚えておくとよいでしょう。
接続詞 conjunction
接続詞は、その名の通り「要素と要素を接続する」ことばです。
接続詞には、and, but, whenなどがあります。
I bought an apple and a orange.
私はりんごとオレンジを買った。
これは"apple(りんご)"と"orange(オレンジ)"という要素(名詞)をつないでいます。
I studied hard yesterday, but I'm not tired.
昨日一生懸命勉強したが、疲れていない。
この文章では"but"が文章と文章をつなぐ役目をしています。
When I was little, I didn't like fish.
私が小さかった時、私は魚が好きではなかった。
"when"は、その後に文章を続けることで「~するとき」という意味になり、文章と文章をつなぐ役割をします。
間投詞 interjection
間投詞とは、主に話し言葉において「感情などを直接的に表すことば」です。この間投詞は、特に他のことばを修飾したりすることなく、それのみで独立して発されます。
例えば、Oops, Ohなどの単語が当てはまります。
Oops, I missed the bus!
ああ、バスを逃してしまった!
Sam: I lived in Japan when I was a kid.
Sam: 子供の時日本に住んでたんだ。
Sally: Oh really? I didn't know that.
Sally:あら、そうなの?知らなかった。
さいごに
いかがでしたか?
この品詞の知識を持って、英語の文法を学習すれば、英語の構造がどんどん見えるようになってきます。最初はなかなか慣れないかもしれないですが、日々「品詞」を意識して英語を学習すれば、必ず上達が速くなります。
品詞がわからなくなったらぜひこの記事を見返して復習しつつ、英語力をどんどん磨いていきましょう!
最後まで読んでいただきありがとうございました!