この記事では、以下の内容を解説します。
- 現在完了形の意味とニュアンス
- 現在完了形と過去形の違い
この記事はこんな方に向けて書かれています。
- 現在完了形のニュアンスが分からず、なんとなくしか理解できていない
- 現在完了形と過去形との意味の違いがあまり理解できていない
目次
現在完了形のイメージ
まずは現在完了形の基本的なイメージと意味から説明していきます。
現在完了形のイメージはこれだけです。
「過去のある出来事などが、現在に何らかの影響を及ぼしている」というこのイメージから、いろいろな意味が出てきます。
現在完了形の焦点は「現在」。これを頭の隅に置いて、具体的な意味を理解していきましょう。
ここでは、代表的な意味を3つ紹介します。
3つの意味ー「完了」「継続」「経験」
完了
まず1つ目は「完了した過去の出来事の結果」を表します。
イメージの通り、「完了した出来事が今にまで影響を及ぼしている」ニュアンスがあります。つまり、「単に過去のある時点に何かが終わった」という意味(過去形)ではなく、「終わったから現在どうなのか」という意味を含むイメージです。
この意味は一見「過去形」と似ているため、よく混乱する方が多いです。
イメージだけを伝えてもわかりにくいと思うので、次の例文を通してイメージを理解していきましょう。過去形と対比すると、「どう違うのか?」が分かりやすいです。
過去形 vs 過去完了形 "完了" ― 例文①
①I finished my homework. (過去形)
宿題を終わらせた。
②I have finished my homework. (現在完了形)
宿題を終わらせた。
まず①の文章は過去形ですね。
この文章は、単純に過去の一時点においてある行為が終わったということを表します。例えば次の会話を見てみましょう。
John: What did you do this weekend?
John: この週末は何をしたの?
Aaron: I finished my homework.
Aaron: 宿題を終わらせたよ。
Aaronは、「宿題を週末に終わらせたんだ」という事実を伝えていますね。これは単に「週末」という過去の時点において、ある行為が終わったんだということを伝えているだけです。
では、現在完了形の例文を見てみましょう。
John: Hey, I'm going to my friend's birthday party this evening. Do you want to come with me?
John: なぁ、今晩友達の誕生日パーティーいくんだけど、一緒に来る?
Aaron: I will! I have finished all my homework due tomorrow, so I was wondering what to do this afternoon.
Aaron: 行く!!明日期限の宿題全部終えたから、今日の午後は何をしようか考えていたんだ。
この文章でも、現在完了形の日本語訳は「終えた」となっているので、一見過去形と変わらない感じがしますよね。ただ、ニュアンスは、「宿題終えた!(から今暇なんだ!)」という感じで、「今どうなのか?」という結果が暗に示されているという感じです。
この文章で過去形を使っても間違いではないですが、現在完了形のほうがより「終わった!!」という今の感情が入っているニュアンスなので、適切だということです。
過去形 vs 過去完了形 "完了" ― 例文②
もう1つ例文を見てみましょう。
Nick: Hi Paul, I have an extra movie ticket. Do you want it? You need to use it by 10p.m. tonight, by the way.
Nick: やあPaul, 余りの映画チケットが1枚あるんだけど、欲しい?明日の夜までに使わないといけないんだけどね。
Paul: I do, but I haven't finished my paper yet, so you should give it to someone else. Thanks for asking.
Paul: 欲しいけど、まだ論文終わってないんだ。だから他の人にあげたほうが良いと思う。聞いてくれてありがとう。
これも、「今」に焦点が当たっています。「まだ(今も)終わっていない」ので、論文をしないといけず、映画は見れないという意味になってますね。
ここで "I didn't finish my paper"とすると、「論文を終わらせなかった」という「過去の一時点にそういった行動をしなかった」だけの意味になり、「今も終わっていない」というニュアンスがなくなってしまいます。
このように、「単に過去の一時点にやった・やらなかった」というよりも、「過去の一時点にやった・やらなかった結果、今どうなんだ」というニュアンスを持つのが現在完了形なのです。
継続
次は「継続」の意味です。これはそのままの通り「何かをずーっと今に至るまで継続している」という意味です。
例文をいくつか見てみましょう。
I have lived in Japan for almost 15 years.
私は約15年間日本に住んでいる。
これは、「(日本に)住む」ということを、ずーっと今に至るまで継続しているという意味です。継続するということはある一定の期間続けるという意味ですから、よく「どのくらいの間」を表す表現が一緒に使われます。この文章では「約15年間」ですね。この期間を表すには前置詞のforがよく使われるので、覚えておきましょう。
「今に至るまで」という部分が重要で、現在完了形で継続を表すときは、「今もやっている」という意味が含まれます。そのため、「先月まで15年間日本に住んでいたけど、アメリカに帰ってきた」みたいな場合(今は日本に住んでない)は、現在完了形を使わず、過去完了形を使います。
過去完了形については別の記事に説明を譲りたいと思います。
She hasn't come to school for a week.
彼女は1週間学校に来ていない。
否定文ですね。これは、学校に来ていない状態がずーっと1週間続いているという意味になります。
ここでも「1週間」という期間を表すのに前置詞のforが使われていますね。
この場合も「今も来ていない」状態が続いているというニュアンスがあるため、「昨日まで、1週間来ていなかったんだ」という意味を表したい場合は、現在完了形を使いません。この場合も過去完了形を使用します。
経験
最後は「経験」の意味です。これは、よく見る「~したことがある」という意味ですね。
これも、「過去にやった行為という経験を、今も持っている」という意味なので、イメージに合致しますね。
こちらは比較的感覚がつかみやすいです。例文を見てみましょう。
I have seen that movie many times.
私はあの映画を何回も見たことがある。
I have played soccer and volleyball.
私はサッカーとバレーボールをしたことがある。
I have never drank coke.
私はコーラを一度も飲んだことがない。
「~したことがない」という場合は、よくneverが使われます。「一度も~したことがない」という意味ですね。この"have never done~"という形は覚えておきましょう。
I have been to Canada once.
私は1度カナダに行ったことがある。
「~へ行ったことがある」は"have been to"と覚えておきましょう。
あれ、「行く」はgoだから、"have gone to"じゃないの?と思われるかもしれません。ただ、"have gone to"にしてしまうと、「もう行ってしまってここにいない」という意味になってしまうので、意味が変わってしまいます。
経験として「~に行ったことがある」は、"have been to"という風に覚えておきましょう。
さいごに
現在完了形のニュアンスはつかめましたか?
日本語訳で考えると「どう違うかわからん!」となりがちです。大事なのは可能な限り英語を英語のままとらえようとする意識です。イメージを通して、日本語にとらわれずに新たに1からイメージを作り上げていくという意識が英語上達する上で大切です。是非イメージをもとに例文を繰り返し読んで、感覚をつかんでいってくださいね。
最後まで読んでいただきありがとうございました!