英語を学習していると、意味は異なるが形は似ている表現に出会うことがありますよね。in caseとin case ofもその1つです。この記事では、in caseとin case ofの使い方、意味、それぞれの違いを解説します。
さいごに、もう1つ "in the case of"というさらに似た表現も紹介しています。
これらは日常会話や試験等、どんな場面でも出てくる表現です。この記事を通してそれぞれの意味と使い方を理解していただければ嬉しいです。
目次
in case
in caseを使った文章の型
まずはin caseを使った文章の型を見てみます。
例文を見てみましょう。まだ意味は分からなくていいので、どういう風にin caseが使われるのかを見てください。
Take an umbrella in case it rains.
In case it rains, take an umbrella.
雨が降ったときに備えて、傘を持っていきなさい。
このin case節には、ifと同様、未来を表す助動詞のwillを使わないです。「未来」に備えるのでwillを使いそうですが、あくまでも仮定の話なので、未来のことを表す場合にも現在形を用います。
意味
in caseとは、「~が起きた時に備えて」と言う意味です。
in caseの後には、「想定される、備えておきたい出来事」を、主節には「その出来事に備えて事前にすること」を置きます。
例文を見てみましょう。
I'll make some sandwiches in case I get hungry in the afternoon.
午後お腹がすいたときに備えて、いくつかサンドイッチを作る。
unless節には、「午後にお腹がすく」ということ(想定される、備えておきたい事態)が置かれていますね。
その事態に備えて、主節で「いくつかサンドイッチを作る」ということを言っているのです。
一番言いたいのは「いくつかサンドイッチを作る」ということ。そして、それは「午後お腹がすいた時に備えて」ということです。
次の図を見て、より具体的なイメージを理解しましょう。
このように、自分のする行動について、in case節でその行動が何に備えてなのかを付け加えるのです。
このイメージをもとに、もう少し例文を見てみます。
Can you come to my house tomorrow in case I need help?
もし助けが必要になったときのために、明日家に来てくれる?
unless節は「助けが必要である」という意味で、これが「想定される、備えておきたい出来事」ですね。
そしてもし助けが必要になったときに備えて、家に来てくれるかと聞いています。
こちらも一番言いたいのは主節の「明日家に来てくれるか?」という依頼です。それを補足して、「もし助けが必要になったときに備えて」という部分をunless節で付け加えているのですね。
I will stay home all day in case my friend calls.
友達が電話をかけてくるかもしれないから、一日中家にいるよ。
例文をもう1つ。
一番言いたいのは主節「私は一日中家にいる」ということです。そして、「何に備えてそうするか」というのをin case以下で説明しています。それは「友達が電話をかけてくる」ということですね。
家に一日中いる、それは友達が電話をかけてくることに備えてね、と言う意味です。
just in case
もう1つよく使われる表現を紹介します。"just in case"という表現です。
これは、2つの使い方があります。
①just in case + 文章
こちらは、上で解説した「ある事態に備えて」という意味の"in case"に、"just"がついた形です。
justを付けることで、「そんな事態は起こらないと思うけど一応ね」といったニュアンスが付加されます。
Take an umbrella just in case it rains.
万が一雨が降ったときに備えて、傘を持っていきなさい。
このように、「無いとは思うけど、雨が降ったときのために」という意味になります。
少しですが、in caseとニュアンスが変わりますね。
②独立して使われるjust in case
just in caseは次のように、その後に文章を置かない形でも使われることがあります。
その場合、単に「念のため」「何かあったときのために」という意味を表します。
You should always have a taser, just in case.
スタンガンをいつも持っておくべきだよ、念のためにね。
*taser: スタンガン
特に具体的に「どういう場合に備えるか」を言わず、漠然と「念のために」と言いたい場合は、このようにjust in caseを使います。
「何かあったときのために」という漠然とした表現になります。
in case of
in case ofの意味はin caseとは異なり、使い方も少し異なります。
in case ofの型
まずはin case ofを使った文章の型を見ます。
このように、in case ofの後には名詞を置きます。
ofは前置詞なので、後には名詞が置かれるのです。
例文を見てみましょう。
In case of fire, press this alarm button immediately.
火事の場合には、すぐにこのアラームボタンを押してください。
このように、in case ofの後には名詞が置かれていますね。
in caseを使う場合は後に文章を置きましたが、in case ofの場合は名詞を置くという点に注意しましょう。
意味
意味も、in caseと異なります。
in case ofは、「~が起きた際には」という意味です。
in case ofの後の名詞が起きた場合について述べます。
In case of heavy rain, the match will be put off.
激しい雨の場合には、その試合は延期される。
*put off: ~を延期する
「激しい雨」が起きた場合について、主節でどうするかが述べられていますね。
The professor taught us what to do in case of an earthquake.
その教授は、地震が起きた際に何をすべきかを教えてくれた。
これも、「地震が起きた場合に」「もし地震が起きたら」という意味を表しています。
in the case of
最後に、少し似た表現である"in the case of"についても解説しておきます。
in the case ofとは、「~について言えば、~のケースでは」という意味を表します。
こちらも、後に名詞を置きます。
James is very smart, but in the case of his sister, she needs to study a lot harder.
Jamesはとても賢いが、彼の妹について言えば、彼女はもっと一生懸命勉強する必要がある。
このように、ある人や物を取り上げて言及する場合に使います。
この文章でも、「彼の妹」を取り上げて、彼女はもっと勉強しないといけないと言っていますね。
たまに出会う表現なので、違いは把握しておくとよいでしょう。
おわりに
この記事では、in caseとin case ofの意味の違い、そしてin the case ofという似た表現について紹介しました。
特にin caseは会話でもよく出てくる表現なので、「備える」というイメージはしっかりつかんでおきましょう。
よくif(もし)と混同する人もいるので、もし違いが分からない場合はこちらのifの解説記事も見ておくとよいでしょう。
最後まで読んでいただきありがとうございました!
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