目次
ポイント
まずはこの記事で書いている内容の要点を記載します。
可算名詞と不可算名詞のポイント
・英語では、モノ・こと(名詞)を「数えられるか」「数えられないか」で分類する
・数えられる名詞=可算名詞で、単数と複数の区別が必要(="a"を付けたり、複数形にしたり)
・数えられない名詞=不可算名詞で、単数と複数の区別はない(="a"もつけないし、複数形にもしない)
・状況によっては、可算名詞が不可算名詞になったり、不可算名詞が可算名詞っぽくなったりする
・可算・不可算を理解する上で大切なのは、日本語の感覚で英語を理解しようとしないようにすること
この可算名詞と不可算名詞を覚えることで、aやtheなどの冠詞の使い方も理解できるようになります。
ただし、可算名詞と不可算名詞を覚えるうえで、注意点もありますので、それも含めてこの記事で解説していきます。
※単数形と複数形の違いはこの記事では解説していません。別の記事で解説する予定ですので、少々お待ちください。
可算名詞
まず、可算名詞とは「数えられる名詞」という意味です。英語では可算名詞を"countable noun"と言いますが、"countable"は"count(数える)"+"able(~できる)"という意味で、「数えられる名詞」という意味ですね。
辞書では、よく名詞の横に「C」と書かれていますが、これが”Countable"の意味です。
具体的には、以下のようなものがあります。
・dog(犬)
・person(人)
・book(本)
・tree(木)
・cup(コップ)
これらの可算名詞は、さらに「1つしかないのか」「複数あるのか」によって、使い方が変化します。
1つしかない場合には"a"を付けて、複数ある場合には「複数形(-s)」を付けて、区別します。
a dog(一匹の犬)
dogs(複数の犬)
不可算名詞
不可算名詞は、「数えられない名詞」です。
英語で、"uncountable noun"と言います。"un-"というのは「否定」を表すので、「数えられない」という意味になります。
辞書では、よく名詞の横に「U」と書かれていますが、これが”uncountable"の意味です。
数えられない名詞の具体例は、
・water(水)
・iron(鉄)
・information(情報)
・furniture(家具)
などがあります。
水は「1つ2つ」と数えられるような形を持っていないですし、鉄も素材なので数えられませんよね。
"furniture(家具)"も、椅子やテーブルなどを一般的に表す単語なので、「家具」自体には形がなく数えられません。もちろん、椅子やテーブルは数えられますが、「家具」という分類を表す言葉は数えられないのです。
数えられないので、「単数(1つ)と複数(2つ以上)」の区別もできないので、基本的に不可算名詞には複数形がありません。
不可算名詞を数えたい場合
「じゃあ、『情報を1つ与える』というように、数えられない名詞の数を表したいときはどうすればいいの?」と思ったかもしれません。
その場合は、もちろん"an information"ではなく、"a piece of information"などの表現をします。pieceというのは、「何かから一部分を切り出したかけら」と思ってください。
「情報のひとかけら」というように、数えられない「情報」というものから、一部分だけ切り抜いてきたと考えて、"a piece of information"というのです。
このように、「数えられる形」を作ることで、数えられないものも数で表すことができるようになります。
他にも同様の例を少し紹介しておきます。
a piece of advice (1つのアドバイス)
adviceは一見数えられそうですが、不可算名詞の扱いです
a glass of water (1杯の水)
これは、「水」を「グラス」にいれた時の数え方です。もちろんglassに限らず、a cup of waterなど場面によっていろいろ言えます。
a spoonful of sugar(一さじの砂糖)
spoonfulは、「さじ1杯のもの」という意味です。
このように、数えられないものを何らかの形で切り出して、それを数えることができるのですね。
ここで一旦まとめると、
・可算名詞…数えられるので、単数(1つ)・複数(2つ以上)の区別をする必要がある
・不可算名詞…数えられないので、単数も複数も存在しない
可算・不可算は感覚の世界!
よく参考書を見ると、「"apple"は可算名詞なので、単数形か複数形にしないといけません」といった説明がされています。
ただ実は、これも「状況による」のです。
例えば、すりおろしりんごを想像してみてください。数えられますか?
水と同じで形がなく、すりおろしりんごが1つ、2つ、、、と数えることはできないですよね。
このような場合は、不可算名詞の扱いになり、"apple"(aがついたり、複数形になったりしない)となる場合があるのです。
I put some apple in that cocktail.
あのカクテルには、リンゴをいくらか入れたんだ。
これは、「形のない、すりおろされたか何かしたリンゴ」がいくらかカクテルに入っているという意味です。
この文章、可算名詞として"apple"があれば、
I put some apples in that cocktail.
あのカクテルに、何個かリンゴを入れたんだ。
となり、「数えられる形のリンゴ」が意識される文章になります。
逆に、カフェでコーヒーを注文することを想像してみてください。
「カフェ」という場所では、「コーヒー」はカップに入ってきますよね。
なのでこの場合、"a coffee"と言うこともあります。例えば、
Hi, can I get a coffee, please?
コーヒー1杯いただけますか?
もちろん、
Can I get a cup of coffee, please?
コーヒー1杯いただけますか?
ということも可能です。
このように、実際にあるものが「数えられるのか数えられないのか」という感覚で判断しており、「この単語は可算名詞、この単語は不可算名詞」という風にスパッと切り分けられないのです。
可算名詞と不可算名詞を理解するポイント
可算名詞と不可算名詞を覚えるコツは、日本語の感覚(常識)を取っ払い、英語の感覚(常識)を組み立てていくということです。
例えば、"advice(アドバイス)"
上でも少し説明しましたが、"advice"は不可算名詞の扱いです。日本語では「アドバイスを1つ」と言うので、日本語の感覚としては数えられると感じますよね。ただ英語では"advice"というのは、「運」「幸せ」のように数えられない漠然としたものなのです。
真面目な方は、「なんで"advice"は漠然とした単語なんだ!日本語ではしっかり形があるではないか」と疑問に思うかもしれません。ただ英語においては、 "advice" は漠然とした概念であり、数えられない、以上。なのです。
このように、可算名詞と不可算名詞の区別に限らず、「日本語の感覚で見ると変に感じること」は多くあります。ただそれは英語と日本語の感覚、ひいては文化や国の感覚(常識)が異なるだけで、それぞれの言語にとってはそれが当たり前なのですね。
ですので「日本語と違う!理解できない!無理!」と言うのではなく、割り切ってとらえましょう。
「"advice"は漠然としたものだから、数えられないものとして英語話者はとらえているんだ」という風に、ある程度の理由(漠然としている→不可算)が分かれば、そのままの感覚で覚えてしまう。この積み重ねで、英語の感覚というものが醸成されていきます。
英語の認識を、日本語の感覚の延長でとらえることは不可能です。なので、「英語ではこういう理由でこうなっているんだ」ということが分かれば、そのまま深入りしすぎず、そういうものとして覚えるよう意識がけましょう。