canを参考書や単語帳で調べると、「~できる」「~の可能性がある」「~してもよい」という色んな意味が出てきますよね。英語に触れているとcanという単語は色んな場所で出てくるので、「これはどの意味だ!?」と混乱する方も少なくありません。
今回はそんな簡単そうで意外と奥深い、canという単語について徹底的に解説していきます!この記事を読んで、canということばの感覚をつかんでいきましょう!
目次
canの基礎
まずは基礎知識として、意味と使い方を説明します。「基礎は知ってるよ!」という方は、こちらから次のセクションに進んでもOKです(次のセクション「canのイメージ」へ)。
canには主に、
- 能力(~できる)
- 可能性(~する可能性がある)
- 許可(~してもよい)
という意味があります。
主な文章の作り方は下の図の通りです。
基礎としてはここをしっかりおさえておきましょう!
canのイメージ
一見、それぞれバラバラなことを意味しているようですよね。
ただこれを「ポテンシャル(潜在的)」というイメージでとらえることで、一気に理解が深まるのです。
ポテンシャル potentialとは「潜在的な」という意味で、もっと簡単な言葉で言うと「内に秘めた」といった意味ですね。日本語でも「ポテンシャル(多くは潜在能力の意味)」という単語を使う場合もありますよね。
この「内に秘めた」というイメージがcanを理解する上で重要なポイントなのです。
この「内に秘めた」というイメージから、先ほどの「能力」「可能性」「許可」といった意味が出てくるんですね。
ただまだ少しわかりにくいと思うので、具体的にそれぞれの意味とイメージを見ていきましょう。
canの意味
能力(~できる)
まず1つ目の意味は、能力(~できる)です。
イメージはこうです。
このように、「潜在的に持っている能力」を意味します。
日本語で言えば「できる」ですね。例えば「僕は英語を話すことができます」といった場合、それは能力として持っているということですね。そしてそれはある状況になれば実際に話せますよ、ということです。否定にすると、「できない(=潜在的にそういった能力を持っていない)」という意味になります。
ちなみにこのcanという単語は、古英語 Old Englishと呼ばれる11世紀ごろまで話されていた英語ではcunnanという単語でした。このcunnanというのは「知っている」という意味で、ここから「能力」の意味が来ています。
つまり、「英語を話せる」ということであれば、「英語の話し方を知っている」ということですね。
このイメージを踏まえて、いくつか文章を見てみましょう。
I can play the guitar.
私はギターを弾けます。
He can run very fast.
彼はとても速く走れます。
She can speak ten languages.
彼女は10もの言語を話せます。
I can’t sing well.
私はうまく歌えません。
I can’t trust her.
彼女のことが信用できない。
Can you do my homework?
私の宿題できる?(やってもらえる?)
⇒このようにCan you ~?という疑問文にすると、依頼する表現になることもあります。
Can you fix my bike? My dog broke it.
私の自転車直せる?私の犬が壊しちゃったんだ。
⇒これは依頼とも、「直す能力はあるか」という疑問文とも取れますね。文脈によってどちらかの意味になるかは変わってきますね。
ただどちらにしても、「直せる?」と聞いていることには変わりません。
Can't you see that?
あれが見えないの?
この意味で使われる"can"は日本語で言う「~できる」と似ているので理解しやすいと思います。
ただ日本語で覚えるのではなく、英語のイメージで覚えることが上達のコツなので、是非イメージを踏まえて読んでくださいね。
可能性
次は「あり得る」という可能性の意味を見ていきます。イメージはこうです。
これも「潜在的に眠っている」可能性というイメージです。図にある灰色の四角形は、状況を表すと思ってください。
どういうことかというと、例えば「そのうわさは本当の可能性があるね」という場合。
少し難しく言えば、そのうわさが「本当である」という可能性が、潜在的に眠っているよ、ということですね。簡単に言うと「本当だということがあり得る」という意味です。
このように、状況などから見て「可能性がある」と言える場合、canを使うことがあります。逆にcan'tという否定にすると、「あり得ない(=そういう可能性がそもそも潜在的に眠っていない)」という意味になります。
いくつか例文を見てみましょう。
It can be very cold at night.
夜はとても寒くなることがあるよ。
The rumor can be true.
その噂は本当かもね。
You can't be serious.
(あなたが)本気なはずがない(「うそでしょ?!そんなはずないよね!?(=本気じゃないよね!?)という意味で使われます)
このように、状況等からして「そういう可能性が潜在的に眠っている」という場合に使われます。
ただ、注意点としては「~かもしれない」という日本語が当てはまっているからと言って、「今日の夜は雨が降るかも」などという未来の可能性についてはcanで表現することはありません(文法的には間違っていないのですが、不自然です)。あくまでもcanは一般的にそうありうるという可能性を示します。
未来の可能性は、mayやcouldという表現を使いますが、これらの助動詞はまた別の記事で解説しようと思います。
許可
最後に「許可」の意味です。イメージはこうです。
許可も、「潜在的にそういう可能性がある」という意味から、「そうなってもよい」という表現になります。
具体的に考えてみましょう。例えば、"You can eat this cake(ここのケーキを食べてよいですよ)”といった場合。
この状況をよく考えてみると、「あなたがこのケーキを食べる可能性を許します」という解釈ができます。つまり「ケーキを食べる」ということが「起こってもよいですよ」「そういった状況になることを許しますよ」という意味ですね。ここから、「食べてもいいですよ」という許可の意味になるのです。
潜在的に「ケーキを食べる」可能性が眠っている=別に「ケーキを食べる」ことが起こってもよい=「ケーキを食べてもよい」となるんですね。
逆に、否定にするとどうなるでしょうか。その場合、「あなたがこのケーキを食べる可能性を許しません」「あなたがこのケーキを食べる可能性はゼロです」という意味になります。つまり「食べちゃダメ」ということですね。
潜在的に「ケーキを食べる」可能性はありませんよ=「ケーキを食べてはいけないですよ」という意味ですね。
いくつか例文を見てみましょう。
You can study here.
ここで勉強してもいいですよ。
You can take this T-shirt, it's free.
このTシャツ持って行ってもいいですよ、無料です。
You can leave now.
帰っていいですよ(帰ってください)
⇒状況によりますが、このように命令的な表現になる場合もあります。日本語でもこう言った表現はありますよね(「帰っていいよもう」=「帰れ」という意味になることもあると思います)。それと同じですね。
You can't tell this to her!
これ彼女に行ったらダメだからね!
さいごに
canという単語を辞書で調べるといろいろな意味が出てくると思いますが、すべて「潜在的」というイメージがあることが理解できたと思います。
英語を自在に使えるようになるには、「~できる」「~かもしれない」といったように日本語訳で理解するよりも、「潜在的」というイメージ(何かが可能性として眠っているようなイメージ)で理解しましょう。
このイメージがつかめれば、特に日本語に訳さなくともすべて「潜在的」というイメージだけでcanという単語を理解できるようになります。こういった「日本語に頼らず理解できる」という感覚がつかめれば、英語はどんどん上達していきます。
是非イメージをもとにcanを理解し、使っていきましょう!
最後まで読んでいただきありがとうございました!