英文法

分詞って何?現在分詞と過去分詞の意味や違いは?分詞を今すぐマスターしよう!

「分詞って何?どういう意味?」という疑問は英語学習者が一度は持つものです。

分詞という単語からは、これが何者なのか全く想像つかないですよね。この記事ではそんな疑問に答えて、多くの例文を交え分詞の基礎から丁寧にわかりやすく解説します!

目次

はじめに

この記事は、次のような悩みを持っている方に向けて書かれています。

  • 分詞がそもそも何なのか、どういう意味なのかを1から学びたい
  • 現在分詞と過去分詞の違いが知りたい
  • より多くの例文に触れ、分詞の知識を深めたい

なお、分詞構文の解説はこちらの記事に譲りたいと思います。この記事では現在分詞と過去分詞に焦点を当てて解説します!

分詞とは

分詞(participle)を一言でいうと、動詞を形容詞化したものです。形容詞とは「かわいい」のように名詞を修飾する品詞ですね。
※動詞、形容詞という用語が分からない場合は、こちらをご覧ください

分詞(participle)には現在分詞(present participle)過去分詞(past participle)があり、この両方とも、形容詞としての働きをすることができるのです。

分詞の形

分詞とは何か?がざっくりと分かったところで、次に分詞の作り方を見ましょう。

まずは概観として下の図をご覧ください。

ここで、現在分詞と過去分詞の作り方を説明します。

現在分詞の作り方

現在分詞は、動詞にingを付けるだけです。

ただ、ing形をするにあたり、スペルが変わることがあるので、注意です。

元の単語の形ingの付け方例 (元の単語/現在分詞)
eで終わるeを消してingを付けるexcite/exciting, take/taking, bake/baking
短母音+子音で終わる
※hit, skipなどのように短母音は短く発音する母音。例えばseekの"ee"は「イー」と長く発音するため長母音。
最後の子音を重ねてingを付けるhit/hitting, skip/skipping, chop/chopping
ieで終わるieをyに変えてingにするdie/dying
cで終わるk+ingをつけるmimic/mimicking, panic/panicking
その他(上記に当てはまらない場合)ing形を付けるwear/wearing, buy/buying

過去分詞の作り方

過去分詞形は、イレギュラーな形もあるので、1つ1つ覚えていくことが必要です。

元の単語の形過去分詞形の作り方例 (元の単語/現在分詞)
-eで終わるdを付ける
※既にeがついているので、dを付けるだけでOK
excite/excited, use/used, bake/baked
母音(aeiou)1文字+子音1文字で終わる最後の子音を重ねてedを付けるskip/skipped, stop/stopped
子音字+yで終わるyをieに変えて、dを付けるstudy/studied, copy/copied
cで終わるk+ingを付けるmimic/mimicked, panic/panicked
イレギュラー動詞ごとに違うtake/taken, run/run, begin/begun, choose/chosen, be/been, do/done

基本的には-edを付ければよいのですが、不規則に変化する動詞も多くありますので、これらは1つ1つ覚えていく必要があります。初めは慣れないですが、徐々に慣れていくのでじっくりと覚えていきましょう。

分詞の種類と意味

さて、分詞には「現在分詞」と「過去分詞」がありました。

現在分詞…動詞をing形にした形 例:sleeping, sitting, studying, playing, etc.
過去分詞…動詞を過去分詞形にした形 例:written, brought, taken, felt, studied, etc.

ここでは現在分詞と過去分詞それぞれについて詳しく解説していきます。

現在分詞

まずは現在分詞からです。

動詞にing形を付けることで、名詞を修飾するなど形容詞と同様の働きをすることができます。

例文を通して説明していきます。

①現在分詞が名詞を前から修飾するパターン

まず1つ目は、名詞を前から修飾するパターンです。例文を見ましょう。

The crying baby was held in her mother's arms.
その泣いている赤ちゃんは、お母さんの腕の中に抱かれていた。

"crying"という現在分詞が、その後の"baby"という名詞を修飾しています。

"cry(泣く)"が現在分詞形になり、「泣いている(赤ちゃん)」という形容詞の働きをしていますね。

ここで1つポイント。この"cry"と"baby"の関係性を注意しておきましょう。例文の状況を想像すると分かる通り、「"baby"が、"cry"する」という能動の関係になっていますね。

ここは後で重要になってくるので、頭の片隅に置いておいてください。

I bought an interesting book.
私は興味をそそる本を買った。

これも、"interest(興味をひく)"のing形で、"book(本)"を修飾していますね。

よく"interesting" は「興味深い」という訳で学習しますが、これももともとは動詞(interest: 興味をそそる)だったものが現在分詞(interesting: 興味をそそるような)となることで、形容詞化しているのです。

ここでも、"interest(興味をひく)"と"book(本)"の関係性を見ておきましょう。これも、「"book"が"interest"する(=本が人の興味をひく)」という関係性ですね。

②現在分詞が名詞を後ろから修飾するパターン

次は、「名詞を後ろから説明する方法」を見てみましょう。

次は現在分詞を使って、名詞を後ろから説明するパターンです。分詞に加えて、他の単語もいろいろくっついてくる場合(分詞含めて2語以上になる場合)は、名詞の後ろに置きます。

理解するために例文を見てみましょう。

The guy sitting next to me was smoking.
僕の隣に座っていた男がたばこを吸ってたんだ。

"sitting next to me(隣に座っている)"というのはひとかたまりで、"guy"を修飾しています。この"sitting next to me"というかたまりは2語以上なので、名詞"guy"の後ろにおいて修飾しています。

この文章の主語は"the guy sitting next to me(私の隣に座っている人)"で、その人がタバコを吸っていた、という意味になります。

ここでも、"sitting next to me(私の"隣に座っている)"と"guy(男)"の関係性を見ると、「"guy"が、"sit next to me"する」という関係になりますね。

もう1つ例文を見てみましょう。

The girl sleeping on the sofa is his daughter.
ソファーで寝ている女の子は、彼の娘です。

"sleeping on the sofa(ソファーで寝ている)"がひとかたまりで、"the girl"を修飾していますね。2語以上がかたまりになって"the girl"を修飾しているので、名詞の後ろに置かれています。

この"sleeping on the sofa"と"the girl"の関係性ですが、「"the girl"が"sleep on the sofa"する」という関係性になっていますね。

過去分詞

さて、次に過去分詞を見ていきましょう。

過去分詞は、動詞を過去分詞形にすることで動詞を形容詞化できるのでしたね。

こちらも例文を通してみてみましょう。

基本的な考え方は現在分詞と同様、1語であれば名詞の前に、2語以上になる場合は名詞の後ろに置きます

①過去分詞が名詞を前から修飾するパターン

I found the stolen bike yesterday.
私は昨日、盗まれた自転車を見つけた。

steal(~を盗む)の過去分詞形"stolen"が、"bike(自転車)"を前から修飾しています。

さて、ここで疑問点が出てきます。

なぜ、形容詞化する動詞が現在分詞になったり、過去分詞になったりするのでしょうか?

つまり、"the crying baby"は現在分詞、"the stolen bike"は過去分詞を使っていますが、これはなぜでしょうか。

ここで、現在分詞の時に説明した「修飾する名詞と、分詞の関係性」が要点になります。

the crying babyというとき、「"baby"が "cry" する」という関係が成り立っていました。

この過去分詞の場合はどうでしょうか。

the stolen bike(盗まれた自転車)という場合、"bike(自転車)"が"steal(盗む)するわけではないですよね。"bike"は"steal"されるのです。つまり、受け身です。名詞から見て、「~される」という受け身の場合は、過去分詞を使うわけです。

例文をもう1つ。

I like frozen yogurt every morning.
私は凍らせたヨーグルトを毎朝食べる。

「"yogurt"が"freeze"される」という受け身の関係性なので、"frozen"となっています。

②過去分詞が名詞を後ろから修飾するパターン

現在分詞の時と同様、2語以上になる場合は、名詞の後ろに分詞を置きます。

Hindi is the language spoken in India.
ヒンディー語は、インドで話されている言語です。

これも、「"language(言語)"が"speak(話す)"される」という関係にあります。受け身になっているので、"spoken"という過去分詞形になっています。そして、spoken in India(インドで話されている)というのが2語以上になっているので、後ろに置かれています。

もうひとつ例文を見てみましょう。

Students interested in English are likely to study abroad.
英語に興味を持つ学生は、留学する可能性が高い。

*be likely to: ~する可能性が高い

こちらはいかがでしょうか。これは一見、「学生が興味を持つ」だから現在分詞では?と思われるかもしれません。ただ、"interest"の意味を知っていれば受け身であることが分かります。interestは「興味をひく」という意味です。なので、「"student(学生)"が"interest(興味をひく)"される」という関係になります。

このように、日本語の感覚では「これは現在分詞だ!」と思っても、実際は過去分詞ということも多いです(実際、英語学習者でも間違える方は多いです)。なので、できるだけ日本語から離れて、英語の持つ意味に注意して、そのまま理解する意識で勉強しましょう。

例文集

さて、ここまで理解できれば、分詞はOKです。とは言っても、すぐには慣れないと思うので、例文(+少し解説)を載せておきます。色んな文章に触れて、分詞の感覚を養っていきましょう。

現在分詞

Those sleeping dogs are so cute!
あの寝ている犬たち、ほんとにかわいい!

I watched an amazing movie yesterday.
私は昨日、素晴らしい映画を観た。

*amaze: ~を感心させる、~を驚かせる

The man walking over there is my English teacher.
そこで歩いている男の人は、私の英語の先生だ。

I had to talk with a boring man at the party yesterday. I wanted to get out of there as soon as possible.
昨日パーティーで、退屈な男の人と話さないといけなかったんだ。一刻も早くそこから出たかったよ。

*bore: ~を退屈させる

「"a man"が他の人を"bore(退屈させる)"する」という関係性なので、boringとなる。

My mother tells me a depressing story right before I go to bed.
お母さんが、寝る直前に憂鬱になるような話をしてくるんだよ。

*depress: ~を憂鬱にさせる

Look at the man wearing the potato costume!
あのジャガイモのコスチューム着ている男の人を見て!

過去分詞

I finished the homework given by my mother.
お母さんに与えられた宿題を終えた。

「~によって」というのは、byを使います(受身形と同じです)。

I brought the ordered food to the customer's table.
私は、お客さんのテーブルに、注文された食べ物を持って行った。

This is a painting painted by a famous artist.
これは、有名なアーティストによって描かれた絵画です。

No one can open the locked box by any means. People say it's cursed.
どんな手段をもってしても、誰もその鍵がかけられた箱が開けられない。人々はそれが呪われていると言う。

The cars made in Japan are believed to be highly reliable.
日本で作られた車は、かなり信頼性があると信じられている。

*be believed to: ~だと信じられている
*reliable: 信頼できる

よく聞く「メイド・イン・ジャパン」ですが、これも「日本で製造された」という意味ですね。

I bought a book written by a renowned American singer.
有名なアメリカの歌手によって書かれた本を買った。

*renowned: 有名な

The paella cooked by my mother is the best in the world.
お母さんがつくるパエリアは、世界で一番だ。

直訳すると「お母さんによって作られたパエリア」ですね。パエリアから見ると「作られる」ので、過去分詞が正しいです。

補語として使われる分詞

分詞は、名詞を修飾するだけではなく、形容詞と同様に補語として使われます。

補語についてはまた別の記事で解説しますが、簡単にいえば「主語や目的語がどういう状態なのか」を表す単語です。

例文を通して理解してみましょう。

The movie is very interesting.
この映画はとても面白い。

I was really bored then.
私はその時とても退屈していた。

文型で言えば「SVC」の文章です。主語(S)がinteresting(C), bored(C)という説明をしています。

この文章は直接名詞の前後において修飾しているわけではないですが、形容詞の役割を果たしていますね。

She found the book very interesting.
彼女はその本をとても面白いと思った。

find + 目的語 + 補語 (find + O + C)で、「<目的語>を<補語>だと思う」という意味です。

こちらも、目的語(book)がinteresting(C)という状態だと説明していますね。

このように、補語の位置に分詞を置くことで、より幅広い表現をすることができます。

おわりに

現在分詞と過去分詞、理解できましたか?大切なのは、「英単語の意味をきちんと調べて、日本語にとらわれないようにする」ということです。

例えば「驚く」という単語は英語では"surprised"ですが、これは"surprise(驚かせる)"の受け身で「驚かされた(=驚いた)」という意味です。このように、日本語と英語では単語のとらえ方が違う場合も多いので、最初のうちはきちんと辞書などで意味を調べ、その意味に忠実に理解することが重要です。

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分詞を学べば、分詞構文も簡単に理解することができます。合わせて分詞構文を学びたい方は、下の記事からご覧ください!

最後まで読んでいただきありがとうございました!

  • この記事を書いた人

Kazu

国連英検特A級合格(二次試験満点)、TOEIC満点、TOEFL iBT108点取得。大学では英語を専攻し、カリフォルニア大学で1年間政治経済を学ぶ。これまでに海外留学支援やTOEIC/TOEFL模擬試験の作成と編集、TOEICや英文法・英会話の講師、翻訳など様々な英語に関する 仕事に携わってきました。

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