文法を学習していてつまづく人が多い「withを使った付帯状況」。「付帯状況」という言葉自体の意味が分からず、参考書の説明でも分かりづらいものが多いです。
この記事では、「付帯状況のwith」について、図や例文を豊富に使って分かりやすく解説します。
この中には「現在分詞」「過去分詞」も出てきますので、分詞が何かあまり分からない方は、こちらをまずはご覧ください!
目次
付帯状況とは?
まずは、付帯状況とは何かについて説明します。
付帯状況とは、ある状況に対して、別の状況が同時進行で存在する(くっついている)ということを指します。
例を見てみましょう。
私は、脚を組みながら映画を観ていた。
この文章では、「私が映画を観ていた」という状況と同時並行で、「脚を組みながら」という別の状況が存在しています。
彼女は、電気をつけたまま寝ようとしていた。
こちらも同様、「彼女が寝ようとしていた」という状況にくっついて、「電気がついたままである」という状況が存在します。
このように、主となる状況がまずあって、その状況に対して別の状況が同時並行で存在することを表すのが付帯状況です。状況が「付帯(くっついていること)」しているのですね。
withを使った付帯状況
with付帯状況の型
では、このような「付帯状況」を表すには、次の図の型を使います。
withの後に名詞を置き、その後に形容詞、現在分詞、過去分詞、前置詞、副詞を配置します。
withというのは、「一緒にある」ということを示すので、with以下の部分が「同時に存在する」ということを示します。
つまり、「with(一緒に存在する)A(名詞)が、B(形容詞、現在分詞など)の状態で」という意味になり、それがつまり「同時にある状況が存在する」という付帯状況を表すのです。
この型と意味はしっかり覚えておきましょう。
では、より詳しくwithを使った付帯状況を理解するため、Bに配置できる形容詞、現在分詞、過去分詞、前置詞、副詞の種類ごとに、例文と意味を確認してみましょう。
① 「B=形容詞」の場合
I was sitting there with my eyes open.
私は、目を開けたまま(私の目が開いた状態で)そこに座っていた。
openは「開いている」という形容詞です。型にあてはめて理解をすれば、「my eyesがopenの状態で」、つまり「私の目が開いた状態で」という意味になります。
②「B=現在分詞」の場合
I was sitting there with my cat sleeping on my lap.
私のネコが膝の上で寝ている状態で、私はそこに座っていた。
sleep on my lapとは、「私の膝の上で寝る」ということです。「my catがsleeping on my lapの状態で」、つまり「私のネコが私の膝の上で寝ている状態で」という意味です。
「私が座っていた」という状況があり、それに加えて「私のネコが膝の上で寝ている」という状況が同時並行で存在したということですね。
③「B=過去分詞」の場合
I was sitting there with my legs crossed.
私は、脚を組んだ状態でそこに座っていた。
「my legsがcrossedの状態で」、つまり「私の脚が組まれた状態で」という意味です。ここでcrossedと過去分詞になっているのは、脚から見れば「組まれる」という受け身になるからですね。
④「B=前置詞」の場合
I was sitting there with my hands in my pockets.
私は、ポケットに手を入れた状態でそこに座っていた。
「my handsがin my pocketsの状態で」、つまり「私の手がポケットの中にある状態で」座っていた、と言う意味ですね。
⑤「B=副詞」の場合
I was sitting there with the lights off.
私は、電気を消したままそこに座っていた。
こちらも「the lightsがoffの状態で」、つまり「電気が消えた状態で」という意味を表します。
このように副詞も置くことが可能です。
withを使った付帯状況の例文
それでは、より多くの例文を通して、イメージをつかんでいきましょう。
重要なことは、主な状況に、with A Bで表される状況がくっついているというイメージです。
できるだけ日本語訳をせず理解をするため、「主な状況があって、それと同時並行でAがBの状態なのだ」というイメージを思い浮かべましょう!
例文①
I can't cook with my mom standing right next to me. She always nags at me when I cook.
お母さんが私の真横に立っている状況で、料理できないよ。彼女は私が料理するとき、いつもガミガミうるさいんだ。
*nag at: (~に対して)口うるさくがみがみ言う
前から理解していきましょう。
まず、"I can't cook"は「私が料理ができない」という意味です。その後で、withが続いています。
「with(一緒に存在する)my mom(私のお母さん)が standing right next to me(私の真横に立っている)状態で」という意味です。
例文②
I couldn't focus on my work with people talking loudly around me.
人が私の周りでうるさく話していて、私は自分の仕事に集中できなかった。
こちらも前から理解していきます。
"I couldn't focus on my work"というのは「私は自分の仕事に集中できなかった」という意味です。その後にwithが続いています。
with以下の部分は、「with(一緒に存在する)、people(人々)がtalking loudly around me(私の周りで大きな声で話している)状態で」という意味です。
例文③
With technology evolving rapidly in recent years, more and more companies are required to adapt to the changing circumstances.
テクノロジーが近年急速に進化している状況で、より多くの企業がその変化している環境に適用するよう求められている。
*more and more: より多くの
*adapt to: ~に適用する
*circumstances: 環境、状況
こちらはwithを使った付帯状況が、文の先頭に来ています。この部分をまずは見ていきましょう。
「with(一緒に存在する)、technology(テクノロジー)が、evolving rapidly in recent years(近年急速に進化している)と言う状況で」という意味ですね。
付帯状況の部分が先頭に来たとしても、意味は変わりません。それ以降の文章に書かれる状況と、同時並行で起きている「付帯状況」だということです。
withを使った付帯状況の後に続く文章は、"more and more companies(より多くの企業)"は、"are required(求められる"、"to adapt to the changing circumstances(その変化している環境に適用することが)"という意味です。
この文章は少し難しいですが、主な状況(主節に書かれる状況)に、ある状況がくっついている(付帯状況)ということを理解しておくことが重要です。
おわりに
withを使った付帯状況の文章は、会話でも文章でもよく使う表現です。
そのため、あまり日本語訳にとらわれず、図や例文を使って解説したように、前から理解するよう意識することが大切です。
是非、withを使った付帯状況をマスターし、使えるようにしておきましょう!
最後まで読んでいただきありがとうございました!
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