英語を学習すると必ず出てくるto不定詞というもの。「名詞的用法」「形容詞的用法」「副詞的用法」という用法があり、それぞれこういう意味で~と言われてもなかなか覚えられないのではないでしょうか。
この記事では、そんな複雑なto不定詞について、3つの用法とその使い方と意味、例文を通して分かりやすく解説していくので、この記事を読んでマスターしてしまいましょう!
目次
to不定詞とは?
to不定詞は、"to"と動詞の原形を組み合わせることで、ある意味を表すものです。
まずは型を見てみましょう。
これがto不定詞の型です。
この型の通りに作ると、肯定形は
to see
to think
to do
否定形は
not to see
not to think
not to do
となりますね。
「これがto不定詞というものの型なんだな~」と理解できればまずはOKです。
余談~「不定詞」ってどういう意味?何が「不定」なの?
余談ですが、「不定詞」って何?というお話を少しします。不定詞とは「定まっていない(不)」言葉という意味です。何が定まっていないのか?というと、単語自体の形が定まっていないということです。もう少し正確に言い換えると、「時間や人称によって、その単語をこういう形にすべし、という決まりが特にない(定まっていない)」と言えます。
例えば"see"という単語は、主語が"he"であれば”sees"という形に変え、過去形(過去の話)の場合は"saw"という形に変える必要がありますよね。ただ、「不定詞」とは、こういった人や時間などによって形を変えず、決まって"see"という形になります。そのため、「to不定詞」というのは、「to+<動詞の原形>」で、主語がheだからといって"s"を付けたり、過去形だからといって"to saw"という風にしないのです。
to不定詞の3つの意味
さて、to不定詞の形が分かったところで、次に意味を見ていきましょう。
to不定詞には、「名詞的用法」「形容詞的用法」「副詞的用法」という3つの用法があります。
ここでまず理解しておきたいのが、「名詞」「形容詞」「副詞」の意味です。簡単に言えば、それぞれ次のような意味です。
名詞:ものやことを表す言葉(「犬」「つくえ」「車」など)
形容詞:名詞を修飾する言葉(「かわいい」「固い」「赤い」など)
副詞:動詞などを修飾する言葉(「素早く」「真面目に」「細かく」など)
この品詞を理解しておくことがto不定詞を理解する手助けになる、「品詞全然わからない!」という方はこちらの記事から品詞を理解しておきましょう(英語の「品詞」って何?学ぶ必要あるの?英語の全品詞を分かりやすく解説!)。
では、具体的に3つの用法を見ていきましょう!
名詞的用法
まずは名詞的用法から解説します。
名詞的用法とは、「~すること」という名詞の意味にすることができる用法です。
例を見てみましょう。
to see 見ること
to think 考えること
to do すること
このようにto+<動詞の原形>にすることで、「犬」や「車」というような名詞と同じ扱い方をすることができるのです。
普通の「名詞」を使った文章 My dog is cute.(私の犬はかわいい)
to不定詞を使った文章 To think is easy.(考えることは簡単だ)
普通の「名詞」を使った文章 I like dogs.(私は犬が好きだ)
to不定詞を使った文章 I like to read books.(本を読むことが好きだ)
どうでしょうか。普通の「名詞」と、to不定詞の「名詞的用法」は同じように使えていますね。このように、動詞そのままでは表せなかった「~すること」という意味を、to不定詞を使えば表すことができるのですね。
他にも例文を見てみましょう。
To travel across Japan is my goal.
日本中を旅することが私の目標です。
My job to teach English.
私の仕事は英語を教えることです。
It is important to get enough sleep.
十分な睡眠を取ることは重要だ。
この文章は少し説明が必要です。"To get enough sleep is important."でも全然問題はないのですが、英語では頭でっかちの文章が避けられる傾向にあります。そのため、まず"It is important"と文章を始め、そのあとで"to get enough sleep"と続けるという形がよくつかわれます。この"it"は「それ」という意味で使われているのではなく、"to get enough sleep"を指しています。なので、意味としては"To get enought sleep is imoportant."と同じ意味です。
It is easy for her to speak English.
彼女が英語を話すことは簡単だ。
これは少し応用で、「<人>が~すること」という場合、for <人> to 動詞という形になるので、覚えておきましょう!
My dream is to become an astronaut.
私の夢は宇宙飛行士になることだ。
このように、to不定詞を使うことで、「~すること」という名詞として使うことができます。
形容詞的用法
次に形容詞的用法を解説します。
形容詞とは、「名詞を修飾する言葉」でしたね。例えば「かわいい犬」「赤い車」「分厚い本」というように、「名詞(ものやこと)」にくっつけることで、その名詞に説明を加える役割を持ちます。
英語では形容詞は以下のようなものがありますね。
a cute cat (かわいい猫)
an expensive car (高い車)
the tall man (その背の高い男性)
to不定詞を使っても、このように「名詞の説明」をすることができます。
a book to read (読む本)
places to visit (訪れる場所)
something to eat (食べる何か=食べ物)
何か少し違和感がありませんか?そうです。形容詞は、名詞の前にくっつけることが多いのですが、to不定詞の場合は名詞の後ろにくっつけます。
文章の中で見てみましょう。
I have a lot of books to read.
私は読む本をたくさん持っています。
日本語にすると若干伝わりにくいですが、ニュアンスとしては、「これから読む本」というようなニュアンスとなります。
In Japan, there are many places to visit.
日本には、訪れる場所がたくさんある。
これらのように、単に「本」や「場所」ではなく、「(これから)読む本」、「訪れる場所」というようにより詳しく名詞を説明していますよね。
さて、より多くの例文を見てイメージを膨らませましょう。
I want something to eat now.
今何か食べるものが欲しい。
I have a lot of homework to do.
これからするべき宿題が多くあります。
「するべき」と訳されていますが、「(これから)する宿題が多くある」という意味が文章の意味に近いです。ただ、これからする宿題=しないといけない宿題という意味に近いので、このように「~するべき」という訳がされることがあります。
I don't have a friend to talk with.
私は一緒に話す友達がいない。
これは少しわかりにくい形ですね。talk withという形で終わっています。
この形を理解するために、少し次の形を思い出してみましょう。
books to read
これは「読む本」という意味ですが、「本を読む」という形に直すと、"read books"ですよね。この形をもとに、「読む本」という意味にすると"books to read"となります。これを同じく、「友達と話す」は"talk with a friend(友達と一緒に話す)"です。これをもとに「話す友達」とする場合、"a friend to talk with"になるのです。次の図を見ればわかりやすいと思います。
これは実際に使えるようになるには、前置詞の知識と少しの慣れが必要です。なので最初は、「もともとは動詞+前置詞という形だから、to不定詞にしても前置詞が必要なんだ」ということを覚えておいてくださいね。
副詞的用法
最後に「副詞的用法」の解説をします。
副詞は、「動詞などを修飾する」役割を持つ言葉です。
この副詞的用法を使うと、「~するために」という目的を表すことができます。
I study everyday to get good grades.
良い成績を得るために毎日勉強している。
これは、「毎日勉強している」⇒「良い成績を得るため」という目的を表しています。
逆に考えると、「良い成績を得るために勉強している」となり、動詞を修飾していますよね。単に「勉強している」のではなく「良い成績を得るために勉強している」のです。このようにto不定詞は動詞を修飾し、副詞のように使えるのです。
例文を見てみましょう。
You should eat more vegetables to stay healthy.
健康でいるために、もっと野菜を食べるべきだよ。
これも単に"eat(食べる)"のではなく、"to stay healthy(健康を保つために)"という目的が表されています。
I went there by car to arrive on time.
私は時間通りに到着するために、車でそこへ行った。
*on time: 時間通りに
また、副詞的用法のto不定詞は in order to という表現で言い換えることが可能です。
You shouls eat more vegetables in order to stay healthy.
I went there by car in order to arrive on time.
toとin order toの違いはほとんどありませんが、"in order to"のほうが少しフォーマルな表現で、より「~するために」という目的をはっきりさせた表現だという理解でOKです。
さいごに
さて、ここまでto不定詞を解説してきましたが、理解できましたか?
to不定詞に限らずですが、より多くの文章に触れて、自分でもto不定詞を使った文章を作ってみると理解が深まります。
ぜひ型と意味を理解して、多くの文章に触れて慣れていきましょう!
最後まで読んでいただきありがとうございました!