英文法

"used to" VS "would" 違いを説明できますか?

目次

はじめに

"used to"と"would"はどちらも「過去の習慣」を表すと習いますが、どういった違いがあるんだろうと思いますよね。

この記事では、違いが分かりにくい"used to"と"would"のニュアンスの違い、使い方の違いについて詳しく解説します。また最後には「過去形」を使う場合と"used to"/"would"を使う場合の使い分けについても触れています。

used to と would

結論から説明します。これらは、次のような違いがあります。

used to…過去に一定期間続いた状態や、過去の習慣(過去に繰り返されていた行為)を表す
would...過去の習慣(過去に繰り返された行為)を表す
※どちらも、「現在はもうやっていない」というニュアンスがあります

ここで、それぞれの意味を見比べていただきたいのですが、wouldのほうには「 過去に一定期間続いた状態 」と書かれていませんよね。この「 過去に一定期間続いた状態 」が、"used to"と"would"の違いを理解する上で重要なポイントになるので、頭の隅に置いておいてください。

では、より具体的に感覚をつかんでいただくため、例文を通して詳しく解説していきます。

used to

まずはused toから説明します。

used toは、過去に一定期間続いた状態や、過去の習慣(過去に繰り返されていた行為)を表すんでしたね。

まずは例文を見てみましょう。

I used to get up at 4 a.m. every day to study.
私は以前、勉強するために毎朝午前4時に起きていた。

My mother used to smoke a lot.
私の母はよく喫煙をしていた。

I used to live in Osaka, but I moved to Tokyo two years ago.
私は以前大阪に住んでいたが、2年前に東京に引っ越した。

これらは、現在は続いていない、過去の習慣や一定期間続いた状態を表しています。

なお、used toの肯定文・否定文・疑問文は次のようになります。

否定文と疑問文の時は、"used to"が"use to"となることに注意しましょう。

では、次にwouldを見ていきましょう。

would

wouldは 過去の習慣(過去に繰り返された行為)を表すんでしたね。

例文を見てみましょう。

When I was in high school, I would play soccer after school every day.
私は以前、毎日放課後サッカーをしていた。

My father would read me amazing books every night when I was little.
私が小さかった時、お父さんが毎晩素晴らしい本を私に読んでくれた。

She would visit me every weekend when I was a kid.
私が子供だった時、毎週末彼女は私を訪れていた。

これらは、「過去に何度も何度も繰り返された行為」を表していますね。「毎日放課後サッカーをする」、「お父さんが毎晩本を読んでくれた」「彼女が毎週末訪れた」これらは何度も繰り返されている行為です。

なお、「繰り返される行為」とは、「始まりと終わりのある行為を、複数回習慣的に行う」という意味です。

wouldはもちろん日常会話で使われることもありますが、"used to"に比べて少しかたい表現で、文語的(小説などで使われる)なニュアンスもあります。

この「習慣」の意味で使われる"would"は、肯定文・否定文・疑問文で次のように使われます。

この「習慣」の意味で使われる"would"は、疑問文の形ではあまり使われない印象があります(個人的には過去一度も聞いたことがないです)。否定文の形もそれほど使われるわけではなく、"used to"の否定文"didn't used to"がより使われる印象です。

"used to"と"would"の違いについて

では、それぞれの意味が分かったところで、これらの違いを詳しく見ていきます。

まず次の例文を見てみてください。

私は20代の時、1年に1回はタイを訪れていた。
 I used to visit Thailand once a year when I was in my twenties.
 I would visit Thailand once a year when I was in my twenties.

「1年に1回はタイを訪れた」というのは、過去に繰り返されていた行為、習慣なので、"used to"と"would"の両方を使うことが可能です。

では、次の例文はどうでしょうか。

以前私は大阪に住んでいたが、2年前に東京に引っ越した。
 I used to live in Osaka but I moved to Tokyo two years ago.
× I would live in Osaka but I moved to Tokyo two years ago.

これは、「住んでいた」という過去の状態(ずーっと継続している状態)であるため、"used to"は使えますが、"would"は使えません。

以前私は犬が好きだった。
 I used to like dogs.
× I would like dogs.

これも、「好きだった」という状態(継続した状態)であるため、"used to"は使えますが、"would"はつかえないですね。

 I used to watch TV for two hours every morning when I was a teenager.
 I would watch TV for two hours every morning when I was a teenager.

これは、「テレビを見る」という行為を何度も繰り返し、習慣的に行っていたので、"used to"と"would"両方使えますね。

最後にもう一文。

ここら辺に以前、大きなスーパーマーケットがあった。
 There used to be a big supermarket around here.
× There would be a big supermarket around here.

この文章は、「スーパーマーケットがあった」という継続した状態を表していますね。これは「繰り返される行為」ではないため、"would”は使えません。「スーパーマーケットがある」というのは持続的な状態で、「始まりと終わりがあり、複数回行われる」というものではないですよね。

このように、"used to"と"would"は似た表現ではありつつ、違いがあるのですね。

注意点:過去形との使い分けについて

1回きりの出来事を表すときは過去形を使う

"used to"と"would"を使う時に気を付けていただきたいのは、1回きりの行動を示す場合には、単純な過去形を使うということです。

この前の日曜日、寿司をいっぱい食べた。
 I ate a lot of sushi last Sunday.
× I used to eat a lot of sushi last Sunday.

先週、お父さんが自転車を修理してくれた。
 My dad fixed my bike last week.
× My dad used to fix my bike last week.

そのお知らせを聞いた時、とても悲しかった。
 I was very sad when I heard the news.
× I used to be very sad when I heard the news.

これらはすべて、1回きりの出来事を表しています(もしかしたら「寿司をいっぱい食べる」というのが過去の習慣で会ったかもしれないですが、この文章では「この前の日曜日」に焦点を当てて話しているので、1回きりの出来事を表しています)。

「習慣」のニュアンスを出したければ"used to"か"would"を使う

過去形でも過去の習慣や状態は表すことができます。

I lived in Osaka when I was in high school.
高校生の時、大阪に住んでいた。

ただ、過去形は「1回きり」の行動にも使われるため、「繰り返された行動」を表すには"used to"か"would"を使う方がよい場合もあります。

My father used to read me amazing books when I was little.
私が小さかった時、お父さんが素晴らしい本を(何度も習慣的に)私に読んでくれた。

My father read me amazing books when I was little.
私が小さかった時、お父さんが素晴らしい本を私に読んでくれた。

この場合、上の文章は「お父さんが習慣的に本を読んでくれたんだなぁ」と分かりますが、下の文章は「ある日、1回読んでくれた」ということになります。

「習慣」というニュアンスを出したければ、"used to"か"would"を用いることをおススメします。

ニュアンスはわかりましたか?

終わりに

used toとwouldの違い分かりましたか?

細かなニュアンスの違いですが、こういった細かい部分をきちんと理解していくことで、英語全体の理解が深まります。またきちんとニュアンスや意味を使い分けることで、コミュニケーションがスムーズにいくようになるので、ぜひ覚えておいて使えるようにしていただければと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございました!

  • この記事を書いた人

Kazu

国連英検特A級合格(二次試験満点)、TOEIC満点、TOEFL iBT108点取得。大学では英語を専攻し、カリフォルニア大学で1年間政治経済を学ぶ。これまでに海外留学支援やTOEIC/TOEFL模擬試験の作成と編集、TOEICや英文法・英会話の講師、翻訳など様々な英語に関する 仕事に携わってきました。

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