despite/in spite ofの意味や使い方、そしてalthough/thoughとの違いは分かりにくいですよね。実際英語を教えていると、in spite ofとdespite、そしてalthough/thoughについて、次のような質問を多く受けます。
- despite/in spite ofの意味は?どうやって使えばいいの?
- although, thoughとも意味が似てるけど、どう違うの?
- despite/in spite ofの違いってあるの?
この記事では、これらの疑問について分かりやすく、かつ詳しく徹底講義していきます!
目次
ポイント
初めにこの記事の重要ポイントを記載しておきます。
although/ thoughは「~だが」という意味で似ているが、その後に「文章」が来る点が主な違い。
②どちらも「対照的な事実を並べて意外性を示す」ときに使われる(「どしゃ降りだったけど、サッカーをしたんだ」など)。
③despite/in spite ofの意味の違いはないと思ってOK。ただアメリカではdespiteが使われることのほうが多い。
despite/in spite ofの意味と使い方
despite/in spite of は両方とも、「~にも関わらず」という意味を持ちます。
despite/in spite of の後には「名詞」「動名詞」を置きます。なぜ後に名詞が来るかというと、in spite of/despiteは両方「前置詞」の働きをするからです(前置詞の後には名詞が来る)。
具体的に、例文を通して意味と使い方を見ていきましょう。
名詞を置く場合 「<名詞>にも関わらず」
They entered the forest in spite of those danger signs.
彼らは、あれらの危険標識にも関わらず、その森に入っていった。
このように、後に「名詞」を置くことで「<名詞>にも関わらず」という意味を示すことができます。
動名詞を置く場合「<動名詞>したのにも関わらず」
Despite having a stomachache, I kept studying for 12 hours.
腹痛を持っていたにも関わらず、私は12時間勉強し続けた。
In spite of making a lot of efforts, I failed.
多くの努力をしたのにも関わらず、失敗した。
このように、後に動名詞を置くことで、「~したのにも関わらず」という意味を表すことができます。
この文章では、 despite/in spite of の部分と、主節(I kept ~/ I failedの主な文章の部分)の主語は同じ(どちらも「私」)ですよね。
例えば、「彼が腹痛だったのにも関わらず、彼女は彼に牛乳を買ってきた」というように主語が異なる場合はどうしましょう。
その場合は動名詞と同じく、<代名詞の目的格(me, her, himなど)>+<動名詞>とすればOKです。
上の例文はこうなります。
Despite him having a stomachache, she bought milk for him.
彼が腹痛だったのにも関わらず、彼女は彼に牛乳を買ってきた。
although/thoughとの違い
although/thoughと、 despite/in spite of の意味の違いは、その後に置くことができる言葉の違いです。
despite/in spite of ...後に名詞や動名詞を置く(前置詞のため)
although/though...後に文章を置く(接続詞のため)
次の文章を見てみましょう。
Despite/In spite of having a stomachache, I kept studying for 12 hours.
腹痛を持っていたにも関わらず、私は12時間勉強し続けた。
Although/Though I had a stomachache, I kept studying for 12 hours.
私は腹痛を持っていたが、私は12時間勉強し続けた。
このように意味はほとんど同じですが、その後に置くことのできるものが違うのです。
逆にdespite/in spite ofの直後に文章を置いたり、althoughの後に名詞を置くことはできません。
× Despite I had a stomachache, ...
× Although having a stomachache, ...
よく使われる表現 Despite/In spite of the fact that ~
では、despite/in spite ofの後に、文章を置くことはできないのでしょうか。
実は、"Despite/In spite of the fact that"という表現を使えば文章を置くことができるのです。
例文を見てみましょう。
Despite the fact that he studied really hard, he couldn't pass the exam.
彼は本当に一生懸命勉強した事実(こと)にも関わらず、彼は試験に合格できなかった。
=彼は本当に一生懸命勉強したが、彼は試験に合格できなかった。
このような表現はよく使われるので、覚えておくと便利でしょう。
違いはあまりないので、それほど使い分けにこだわらなくてもよいかと思います。
despiteとin spite ofの違い
次に、despiteとin spite ofの違いを説明します。
結論、意味は同じで、どちらでも使うことができると思ってOKです。
ただ、最近ではin spite ofよりも、despiteのほうが使われる頻度が多いようです(こちらのGoogle Ngram参照)。
アメリカではdespiteの方を良く耳にします。
【余談・コラム】「~にも関わらず」から「文化や常識」について考える
「Aにも関わらずB」という表現はそもそもどういう意味なのか、どういった場面で使うのかについて、少し深堀して理解していきましょう。これを理解すれば、より本来の意味をしっかり理解することができ、上達につながります。
※そんなことは良いからdespite/in spite ofの解説して!という方は、こちらから次に飛んでください!
このように当たり前の表現についても、「そもそもこれってどういう意味?」と考え直すことで、英語の表現を感覚的につかむことができるようになります。
「Aにも関わらずB」というのは、AとBとを対比させて、その意外性を示します。
例えば、次の文章を見てみましょう。
Despite/In spite of the rain, I went out for a walk.
雨にも関わらず、散歩に出かけた。
「雨」と「散歩」というのは、「反対のこと」というイメージがあります。普通は「雨」であれば「外に出ない」という認識(≒常識)があるので、直感的には真逆のこと(雨が降っている⇔散歩する)ですよね。そのように真逆のことを並べて、「意外さ」を出すのです。
単に「昨日散歩したんだ」というより、「昨日雨が降っていたのに散歩したんだ」という方が「意外さ」がありますよね。
ここから学べるのは、この表現は「常識」を前提にするという点です。違う文化にいると、「常識」も異なるので、「意外さ」がピンとこない場合もあります。
例えば、
Despite the good weather, I went out for a walk!
いい天気だったのに、散歩に出かけたんだ!
「ん???」となりますよね。ただ、この発言が、「いい天気に外に出ると悪いことが起こる」と信じられている文化だったらどうでしょうか。
このように、ささいな表現ひとつでも、その国の考え方や文化が出ることがあるので、「あれ?」と思った疑問点は見逃さず、なぜだろう?と疑問を持って学習するとより深く言語が理解できるようになりますよ。
さいごに
いかがでしたか?よりdespite/ in spite ofの使い方がイメージで来たのではないでしょうか。
日常会話だけに限らず、文章としても良く使われる表現ですので、英語の上達のためには理解が必須です。
是非例文やイメージを通して、感覚を身に着けてくださいね!
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最後まで読んでいただきありがとうございました!