英文法

最上級ならこれを読めば大丈夫!最上級の基礎~応用、表現のバリエーションまでマスターしよう

簡単そうで意外と複雑な最上級。この記事では、最上級の基本的なルールから、theがつかない最上級などの応用、そして最上級の様々なバリエーションなどを、多くの例文を交えながら分かりやすく徹底解説します。

目次

はじめに

ところで、最上級とはそもそも何でしょうか。

最上級は「最も上」「一番」ということを表す表現ですね。

英語では「一番」を表すときに、特殊な形、つまり「最上級」という形を使います。

ただ一口に「最上級」といっても、日本語では次のようにすべて同じ表現(「最も」「一番」など)を使えますが、英語では下の3つはそれぞれ違う形になるのです。

彼女は私が今まで見た中で一番美しい

She is the most beautiful woman I have ever seen.

彼はこのクラスで一番背が高い

He is the tallest in this class.

私は早朝が一番アクティブだ

I'm most active in the early morning.

なぜこのように形が違うのでしょうか。

この記事ではこれらの違いや、最上級の使い方、様々なバリエーションについて解説します。

最上級の基礎

最上級の型

まずは「最上級」の型についてみていきましょう。

最上級の形についてのルール

"-est" "most"のルールを簡単にざっくりと

ある形容詞/副詞を最上級にする時、"-est"をつけるか、"most"をつけるか分かりにくいですよね。

一応ルールはあるのですが、初めはざっくりと「短い単語には"-est"、長い単語には"most"を付ければよい」というルールだけ覚えておけばよいです。というのも、詳しいルールを理解しようとすると「音節」などの少し難しい知識が必要になり、またルールを覚えても例外は存在するので、こだわって完璧に覚える必要はあまりありません。

ただ、「短い単語とは?」「長い単語とは?」と疑問になると思うので、簡単にルールを説明しておきますね。

最上級の形ルール(※)例 (形容詞・副詞/最上級の形)
-estを付ける場合が多い母音の発音を1つしか含まないものbig/biggest, long/longest, tall/tallest, hot/hottest
mostを付ける場合が多い母音の発音を3つ以上含むもの
※-ful, -ing, -edなどがつくものはだいたいmostを付ければOKです。
popular(po-pu-lar)/most popular, beautiful(beau-ti-ful)/most beautiful, important(im-por-tant)/ most important
形容詞・副詞によって異なる母音の発音を2つ含むものfunny(fun-ny)/ funniest, careful(care-ful)/ most careful, stupid(stu-pid)/stupidest
イレギュラーな形特定の単語good/ best, well/ best, bad/ worst, old/eldest(oldestでも可), far/farthest, little/least


※bigは日本語で発音すると「biggu(bi-ggu)」で、母音の発音が2つ含まれますが、英語では「bíg」となるので1つです。あくまでも「英語で発音した場合」だということに注意しましょう

上記のルールは完璧なものではなく、例外(例えばfun→most fun(×funnest)など)はもちろんあります。

これらはルールでカバーしきれるものではないので、その都度覚えていく必要がありますので、あまり一度に覚えようとしなくてもOKです。

"-est"を付けた時のスペルの変化

さて、先ほどの表を見て、「あれ、"bigest"じゃなくて"biggest"なの?なんでgが増えてるの?」と思いませんでしたか?

実は、"est"を付けるとスペルが変わる場合があるのです。

このスペルが変わる場合についてもルールを見ておきましょう。これには例外はないので、スペルが変わるルールとして覚えておきましょう。

最上級にする単語のスペルルール(※)例 (形容詞・副詞/最上級の形)
ほとんどの場合-estをそのままつけるlong/longest, tall/tallest,
eで終わる場合そのまま-stを付けるnice/ nicest, fine/finest
子音+yで終わる場合y→iに変えてestを付けるfunny/ funniest, pretty/prettiest
短母音※+子音で終わる場合
※短く発音される母音。反対にsweetの"ee"の部分は"イー"と伸ばすので、長母音
特定の単語big/biggest, hot/hottest,

最初は複雑だと思うかもしれませんが、何度も何度も最上級に触れていくうちに慣れてきます。初めはルールを参考にしつつ、色んな単語の最上級に触れて慣れていけば大丈夫という感覚で学習していきましょう!

私も学生の時にこのルールを教科書で覚えた記憶がありますが、しばらくすると全然意識せずとも"est/most"のどちらをつけるかや、スペルがどう変わるかが分かるようになりました。会話をする時も「これは母音を1つしか含まないから・・・」などとはもちろん考えておらず、慣れていくと自然と口から出てくるようになりました。

是非色んな単語の最上級に触れて、慣れていきましょう!

最上級の使い方

はじめにも説明した通り、最上級とは「一番」を表す表現です。

ただ「一番」を表現するにも、「このクラスで一番」「ダントツで一番」など色んなバリエーションがあります。

ここでは、最上級の使い方について説明します。

最上級の後に使われる前置詞

「~の中で一番」ということを表すのに、inとofという2つの前置詞を使うことが多いです。

これらの前置詞の使い分けは重要なので覚えておきましょう。

ポイント
 
◆ofとinの違い
of...個々が意識されている場合に使う
in...範囲が意識されている場合に使う

ただ、これ以外にも使われる前置詞はあり、それは通常の前置詞の使い方によって変わる。

まずはofから見てみます。

The brown cat is the cutest of the three.
その茶色のネコは、その3匹の中で一番かわいい。

She is the oldest of the members.
彼女はそのメンバーたちの中で一番年齢が上だ。

このように、「複数人の中で」というように「個々」が意識されている場合は、ofを使うことが多いです。

inを見てみましょう。

こちらは、「3匹」と個々が意識された表現になっています。

The brown cat is the cutest in the group.
その茶色のネコは、そのグループの中で一番かわいい。

The boy was the tallest in the class.
その男子はそのクラスの中で一番背が高かった。

このように、「グループ」や「クラス」など、集合として意識されている名詞の場合については、inを表します。

ただ、これは最上級の場合に限った話ではなく、一般的な前置詞の使い方によるので、注意が必要です。

one of the three people
3人のうちの1人

a student in the class
そのクラスの生徒

a player on the team
そのチームのプレイヤー

そのため、「チームで一番」と言いたい場合は、次のように表現します。

That is the best player on the team.
あれが、そのチームの中で一番の選手だ。

「チームに所属する」人を表すときは"on a/the team"という表現が使われるので、「チームの中で一番の・・・」と言う場合は前置詞onを使います(team以外の場合には、inかofが多いです)。

重要なことは、前置詞と名詞の組み合わせ(in a/the class, on a/the team, of the three peopleなど)によって変わるので、inかofのみしか使われないと思わず、その時々によって使い分ける必要があるということです。

最上級のバリエーション

最上級にさらに色んな単語を足すことで、もっといろいろな意味を表すことができます。

by far + 最上級(the most/ -est) 「群を抜いて、ダントツで」

byは「近さ・差」を表す前置詞、farは「遠さ、長い距離」を表す単語ですので、by farというのは「大きな差をつけて」と言う意味なります。

そのため、by far を最上級の前に着けることで、「ダントツで一番」という意味を表すことができるのですね。

例文を見てみましょう。

This is by far the most comfortable chair.
これがダントツで一番心地よい椅子だ。

This is by far the most interesting book I have.
これは、私が持っている中でダントツで一番面白い本だ。

このように、他と大きな差をつけた「一番」を表すことができます。

 ポイント
 by farは「ダントツで」を表す表現。他と大きな差をつけて一番だということを表す。
very + 最上級(-est) 最上級の強調

こちらも最上級を強調する表現です。「ダントツ」とまでは言いませんが、「一番」をより強調する強調表現です。

注意点として、こちらは-estという最上級(best, worst含む)にしか使わず、the most-の形には使いません。

例文を見てみましょう。

She is my very best friend.
彼女はまさに私の一番の友達だ。

日本語訳が難しく、参考書等によっては「ダントツで、ずば抜けて」という訳がされているのですが、少し違う感じもします。ただ"best"ではなくて、"very(本当に、まさに) best"という風に強調するということを覚えておけばよいです。

 ポイント
 最上級に"very"を付けることで、最上級を強調することができる。
the 序数(second, third...) + 最上級(-est, the most) 「X番目に」

序数とは、「何番目」を表す表現です。英語ではfirst, second, third...ですね。

これを最上級と組み合わせれば、「X番目に~な」を表すことができます。

もちろん「一番」は普通の最上級ですので、"the first best"などとは言いませんが、"the second best(2番目に良い)"、"the third best(3番目に良い)"などの表現が可能です。

例文を見てみましょう。

This is the fifth tallest building in the world.
これは世界で5番目に高い建物だ。

The second most popular sport in the world is cricket.
世界で2番目に人気のスポーツは、クリケットだ。

このように、序数を付けることで、一番ではないものも表すことができます。

 ポイント
 "the + <序数> + <最上級>"で、「X番目に~な」を表すことができる。
ever 「今までで」

everは最上級の前で使われず、文章の一番後ろに置かれることが多いです。

また、現在完了形過去完了形と組み合わせて「今まで~した中で一番~だった」という表現にもできます。

どちらもかなり使われる表現なので、暗記して覚えておくことをおすすめします。He is the nicest person I’ve ever met.

This is the best movie (that) I’ve ever seen.
これは今まで私が観たことある中で一番の映画だ。

He was the most intelligent man I'd ever met.
彼は私がそれまでに会ったことある中で、一番賢い男性だった。
※I'd...ここではI hadの略です。なぜこの表現になっているかわからない方は、過去完了形の記事をご覧ください。

This is the most fun game ever.
これは今までで一番楽しいゲームだ。

ポイント 
 everは「今までで」という意味。最上級の文章で使われるときは、文末に使われたり、完了形と使われたりする。
one of the + 最上級 「一番~の中の1つ」

この表現もよくつかわれます。

例文を見てみましょう。

My boss is one of the best people in this company.
私の上司がこの会社の中で最高の人々の中のひとりだ。

このように"one of ~"という表現の後に名詞を置く場合は、その名詞は複数形にする必要があります。

"one of ○○"というのは、「○○の中の1つ」という意味です。つまりこの○○は複数あって、その内の1つという意味なのです。

そのため、"one of the people(複数の人々の中の1人)"という風に複数形にすることを覚えておきましょう。

One of the most popular dishes in Japan is sushi.
日本で一番人気な料理の1つは、寿司だ。

もう1つのポイントは、"one of ○○"は単数扱いになるということです。そのため、be動詞は"is"となっていますね。

ポイント 
 "one of the + <最上級> + <名詞>"は「一番~な<名詞>のうちの1つ」という表現。この「名詞」は複数形で、この表現全体としては単数扱いとする。

最上級の応用 ー theがつかない最上級

最後に、「theがつかない最上級」を紹介します。

 ポイント
 同じ人・物の中で一番のものを表現する場合には、最上級にtheを付けない。

次の文章を見てみましょう。

①I’m happiest when I’m working.
 私は働いているときが一番幸せだ。

②I’m the happiest person in the world.
 私は世界で一番幸せな人だ。

①の文章は、私の中で一番のものを表現しています。

「私が」寝ているとき、「私が」遊んでいるとき、「私が」働いているときを比べて、同じ「私」の色んな状態の中で「働いているとき」が一番幸せだと言っています。

②の文章は、「他と比べて」一番のものを表現しています。

文章には表現されていないですが、彼やあの人、この人など他の人と「私」を比べて、その中で私が一番だというのです。

theを付けると、「他の人や物と比べて」という意味が含まれるようになります。そのため、「同じ人や物」の中で一番という場合は、theをつけずに最上級だけで表現するのです。

In Japan, traffic is busiest on Saturday morning.
土曜日の朝に交通量が一番多くなる。

これも「交通量」について、土曜日の朝に一番多くなるという意味です。

"traffic is the busiest"と言うと、「他のものと比べて」交通量が多くなるという意味になってしまいます。

 ポイント
 同じ人や物の中で比べて「一番」を表現するときは、theを付けない最上級を用いる。theを付けると、「他の人・物と比べて一番」を表す。

おわりに

さて、最上級を徹底的に解説しましたが、いかがでしたか?

色んなルールや使い方があり、一度で覚えられないと思います。

難しい!と感じたかもしれませんが、最初だけです。色んな最上級の文章を読んだり、問題を解いたり、最上級を使った文章を書いたり話したりするうちに、自然と身についていきます。

それぞれの例文を暗記して、まずは「型」を完全に理解することが重要ですので、是非色んな最上級の文章に触れて慣れていってくださいね!

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最後まで読んでいただきありがとうございました!

  • この記事を書いた人

Kazu

国連英検特A級合格(二次試験満点)、TOEIC満点、TOEFL iBT108点取得。大学では英語を専攻し、カリフォルニア大学で1年間政治経済を学ぶ。これまでに海外留学支援やTOEIC/TOEFL模擬試験の作成と編集、TOEICや英文法・英会話の講師、翻訳など様々な英語に関する 仕事に携わってきました。

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