目次
はじめに
この記事では、「~ので」と訳されるbecause/for/sinceという3つの接続詞について、細かい使い方やニュアンスの違いを見ていきます。英語をマスターする上で知っておくべき内容なので、この記事を読んでニュアンスを身に着けていきましょう!
共通する意味 「理由・原因」
because/for/sinceはすべて、「理由・原因」を表すときに用いられる接続詞で、たいていの場合「~ので」という意味になります。
※sinceについては、「~以来」という意味も表すので、こちらとは区別します。ここでは「因果関係」を表す意味を取り上げます。
接続詞を簡単に説明すると、文章と文章をつなぐ役割をすることばです。
接続詞は次のように使うことができます。
そして、because/for/sinceをこの「接続詞」として使うことで、その直後に置かれる文章が「理由・原因」であるということを示すことができます。
例えば、次のように使います。詳しい意味やニュアンスは後で解説しますが、ここではまず「確かに、直後に置かれている文章が理由・原因を表しているな」ということを理解しましょう。
①の文章については、「たくさん食べた」、理由は「お腹がすいていたから」となっていますね。この理由を表す部分にbecauseを使っています。
②の文章については、「外出しなかった」、理由は「雨が降っていたから」となっています。ここでも理由を表す部分にsinceが使われています。
このように、理由や原因を表す部分にfor/since/becauseを付ければよいのですね。
because/for/sinceの違い
使い方の違い
because/for/sinceは意味こそ似ているものの、使われ方はそれぞれ異なります。ここで「使われ方」というのは、うえでも解説した通り「文頭に置くのか(接続詞 <文章>, <文章>の形)」、それとも「文中に置くのか(<文章> 接続詞 <文章>)」ということです。
使い方の違いをここでまとめておきます(もちろん例外はあるので、これが絶対のルールではありませんが、ほとんどの場合このように使われます)。
使い方の違い
because: 文中で使われることが多い(が、文頭でも使われることもある)
for: 文中に置かれることが多い(カンマもセットで使用される)
since: 文頭に置かれることが多い
文章にすると、下記のとおりです。
I'm hungry because I took a long walk this morning.
今朝長い散歩をしたので、お腹がすいている。
Because it was hot outside, we decided to stay home. ※
外は暑かったので、私たちは家にいることに決めた。
*decide to do: ~することに決める
※becauseを文頭で使うのはあまり推奨されないという意見もあります。多くの場合は1つ目の文章のように文中で使われるので、こちらの語順を使うことをおすすめします。
I drank a lot of water, for I was thirsty.
のどが渇いていたので、たくさんの水を飲んだ。
Since my brother lives in Thailand, I can only see him once a year.
私の兄はタイに住んでいるので、1年に1回しか彼に会えない。
ニュアンスの違い
because/for/sinceはすべて原因・理由を表すとは言え、ニュアンスは少しずつ異なります。このニュアンスをこまかく解説していきます。
ニュアンスの違い
because: 原因・理由を示すことば
for: 原因と理由を示す、becauseより少しフォーマルなことば
since: 相手にとって既に知っている情報を示すことば(因果関係のニュアンスは少し薄れる)
まず、becauseとforを見ていきましょう。
<because>
I'm hungry because I took a long walk this morning.
今朝長い散歩をしたので、お腹がすいている。
<for>
I'm hungry, for I took a long walk this morning.
今朝長い散歩をしたので、お腹がすいている。
これらは意味はほとんど一緒なのですが、少し"for"を使った文章のほうがフォーマルな印象を与えます。とはいえ日常会話でも場面によっては耳にすることもあるので、すごく固い表現というわけでもないですが、becauseよりはフォーマルな印象です。
では、sinceのニュアンスを見てみましょう。
Since it was hot outside, we didn't go outside.
外が暑かったので、外出しなかった。
このようにsinceを使う場合、その理由や原因は相手にとって既に知っている情報である、というニュアンスがあります。
つまり、相手も「外が暑かった」ということを知っているということです。より文章のニュアンスもくみ取った訳にすると、こんな感じになるでしょうか。
Since it was hot outside, we didn't go outside.
(あなたも知ってると思うけど)外が暑かったから、外出しなかったんだ。
このように相手が知っていたり、一般的に知られていることを理由・原因とする場合に、sinceが用いられます。それに対して、becauseは相手が知らないような理由・原因を表し、その理由・原因が文章の中でとても重要だという場合に用いられます。次の文章を比較してみてみましょう。
I couldn't go hiking because it was raining hard.
雨が降っていたので、ハイキングに行けなかった。
Since it was raining hard, I couldn't go hiking.
雨が降っていたので、ハイキングに行けなかった。
becauseを使った上の文章は、「ハイキングに行けなかったんだ。なぜなら雨が降っていたからね。」と理由・原因を明確に示しているニュアンスがあります。それに対してsinceを使うと、「雨が降っていたから」という原因や理由の意味は少し薄まって、「(知っての通り)雨降ってたからさ、ハイキングに行けなかったんだ」というくらいのニュアンスになります。この「雨が降っていた」というのは相手も知っている情報なので、becauseよりは因果関係のニュアンスが薄くなるのです。
おわりに
なんとなくニュアンスは掴めたでしょうか?ここで完全に理解できなくてもかまいません。
英語の文章に接するときに、because/for/sinceが出てくれば、「この単語はこういうニュアンスだったな」という意識で読むことが、ニュアンスの理解につながります。そのニュアンスが理解できれば、自分でも同じ感覚で使えるようになるので、普段から意識するようにしてみてください。
最後まで読んでいただきありがとうございました!