未来完了形と未来完了進行形って分かりにくいですよね。未来を表す表現はいろいろある上に、完了形という分かりにくい表現が合わさってさらに複雑で理解が難しいです。
この記事では、「未来完了形」と「未来完了進行形」の文章の形と意味、そして同じく未来の出来事を表す「未来形」「未来進行形」との意味の違いを解説します。例文や図を多く使って分かりやすく説明しますので、この記事で未来に関する表現をマスターしましょう。
目次
未来完了形
まず未来完了形から解説していきます。
未来完了形の型
未来完了形は次のような型で使います。
※p.p.=past participle(過去分詞形)の略
このように、未来を表すwillに、完了形を組み合わせたような形を使います。
まずはこの未来完了形の型を理解するために、例文を見ましょう。意味はまだ分からなくて大丈夫なので、ここでは上の図で示した型が実際に使われていることを確認しましょう。
◆肯定文
I will have been here for two years on December 15th.
◆否定文
I will not have finished my book by the time you come here tomorrow.
◆疑問文
Will you have cleaned our apartment when I stop by this afternoon?
willの代わりにbe going toを使うことも可能です。違いはほとんどないと考えてOKです。
◆肯定文
I am going to have been here for two years on December 15th.
◆否定文
I am going to have finished my book by the time you come here tomorrow.
◆疑問文
Are you going to have cleaned our apartment when I stop by this afternoon?
未来完了形の意味とイメージ
未来完了形は、未来のある時点までに完了していることを表します。次の図を見てみましょう。
「未来のある時点までに完了している」という意味をよりよく理解するために、日本語でまずは説明します。
①私は明日の15時にはその本を読み終えているだろう。
これはまだ本を読み終わっていないが、未来の時点(明日の15時)には読み終えているだろうという意味です。
②彼女が明日家に来る頃までに、部屋の掃除は終わっている。
これも「明日が家に来る頃」という未来の時点から見て、そのころには既に部屋の掃除を終えている(完了している)と言う意味ですね。
③来月の20日で、ここに住んでまる5年になる。
こちらも、まだ今の時点では5年も住んでいないですが、来月の20日になると、ちょうどここに住んで5年間になるということです。
このように、未来のある時点に完了していることを表すのが未来完了形です。
例文でより詳しく理解する
未来完了形の型、イメージと意味を理解したところで、実際に例文を見て理解していきます。
「未来のある時点に既に完了している」というイメージは常に意識して例文を読んでくださいね
例文①
I will have finished eating dinner by the time you come home tomorrow.
明日あなたが来る頃までには、私は夕食を食べ終えているだろう。
*finish doing: ~し終える
まず未来完了形の部分("I will have finished eating dinner")は、「未来のある時点で既に夕食を食べ終えている」という意味ですね。上で解説した通りのイメージです。
by the timeというのは「~までに」という「期限」の意味を表す接続詞です。そのため、後半は「あなたが家に来るまでに」という意味を表します。
そのため、「明日あなたが来る頃」という未来の時点までに、夕食を食べ終えているだろうということです。
例文②
It will not have stopped raining when I leave home this afternoon.
私が今日の午後家を出るときには、雨はまだ止んでいないだろう。
未来完了形の否定文ですね。
こちらの例文では、未来の時点は "when I leave home this afternoon(私が今日の午後家を出るとき)"です。
その時には、「雨は既に止んでいないだろう」と完了していないことを表しています。
例文③
I will have worked for this company for 10 years next month.
来月、私がこの会社で働いて10年になる。
未来の時点は "next month(来月)"です。その時点までに、「10年間働いていたことになる」ということですね。
未来形 VS 未来完了形 違いは?
ここで、より未来完了形のニュアンスと意味を理解するため、未来形と未来完了形を比較してみましょう。
「未来形」は単に未来の時点に起こる出来事を表すのに対して、「未来完了形」は未来の時点までに既に完了している出来事を表します。
この違いをもとに例文を比較してみてみましょう。
例文①
◆未来形
It will stop raining when I leave home this afternoon.
今日の午後私が家を出る時、雨が止むだろう。
◆未来完了形
It will have stopped raining when I leave home this afternoon.
今日の午後私が家を出るときまでには、雨が既に止んでいるだろう。
「未来形」の方は、単に未来のある時点(今日の午後私が家を出る時)に起こる出来事を表しています。家を出るときに雨が止むということですね。
それに対して、「未来完了形」の方は、未来のある時点までに既に完了していることを表します。家を出るときには既に雨が止んでいるという意味です。
例文②
◆未来形
I am going to clean our apartment when you stop by this afternoon.
あなたが今日の午後(私のアパートに)立ち寄るときに、私はアパートを掃除するだろう。
◆未来完了形
I am going to have cleaned our apartment when you stop by this afternoon.
あなたが今日の午後(私のアパートに)立ち寄るときまでに、私はアパートを既に掃除しているだろう。
「未来形」は、「あなたが今日の午後(私はアパートに)立ち寄る」ときに、掃除を始めるという意味です。
対して「未来完了形」は、その時点で既に掃除を完了しているだろうという意味です。
このように「未来形」は単に未来の時点に起こる出来事を表すのに対して、「未来完了形」は未来の時点までに既に完了している出来事を表します。
未来完了進行形
次に、未来完了形とセットである未来完了進行形について理解しましょう。
未来完了形と未来完了進行形の違いについては、現在完了形と現在完了進行形の違いと同じです。
未来完了進行形の型
まずは未来完了進行形の型を見てみましょう。
現在完了形を現在完了進行形にするのと同じく、have+p.p.という形をhave+been+doingという形にするのですね。
こちらも、willの代わりにbe going toを使うことが可能です。
未来完了進行形の意味
未来完了進行形は、「未来のある時点まで進行している」ということを表します。
未来完了形は「未来のある時点で既に完了していること」を表しましたが、未来完了進行形は「未来のある時点までずっと進行している」という意味になります。
こちらについても、まだ抽象的な説明で分かりにくいと思いますので、日本語で理解してみましょう。
①来週で、私は3年間ずっと中国語を勉強していることになる。
こちらは、「来週」という未来の時点から見ると、中国語を3年間勉強し続けている、という意味です。
未来完了形の例文に 「来月の20日で、ここに住んでまる5年になる」という文章がありましたが、未来完了進行形は未来完了形よりも「ずっと進行している、続いている」というニュアンスが強くなります。
②あなたが明日家に来るとき、既に3時間料理をし続けているだろう。
未来の時点は「あなたが明日家に来るとき」です。この時点からさかのぼって3時間前から、「あなたが家に来る」までの間、ずっと料理をし続けているだろうということです。
例文でより詳しく理解する
では、例文を見てより詳しく理解していきましょう。
例文①
I will have been cooking for three hours when you arrive.
あなたが明日家に来るとき、既に3時間料理をし続けているだろう。
先ほど出てきた例文です。
未来の時点は、未来完了形の時と同様when節で表されています。その時点から見た時に、既に3時間も継続的に料理をし続けているということです。
例文②
He is going to be very tired when we start the party because he is going to have been working out for over six hours by then!
彼は、私たちがそのパーティーを始めるときにはとても疲れているだろう。なぜなら彼はその時点で既に6時間も運動をしているだろうからだ。
*work out: ジムなどで運動する
未来の時点は「私たちがそのパーティーを始める時」ですね。そのパーティーを始める時点で、既に彼は6時間もずっと運動をし続けているだろうという意味です。
未来の時点まで物事が進行している。これが未来完了進行形の意味です。
また未来完了進行形は、このようにどのくらい長い間それを続けていたのか(for three hours, for over six hoursなど)を表す表現とともに使われることが多いです。
未来進行形 VS 未来完了進行形 違いは?
次に、未来進行形と未来完了進行形の違いを解説します。
未来進行形は「未来のある時点に進行しているだろう出来事」を表し、未来完了進行形は「未来のある時点までずっと進行しているだろう出来事」を表します。
例文①
◆未来進行形
I will be cooking when you arrive.
あなたが到着する時に、私は料理をしている最中だろう。
◆未来完了進行形
I will have been cooking when you arrive.
あなたが明日家に来るとき、料理をし続けているだろう。
未来進行形は、未来のある時点(あなたが到着する時)に、料理をしている最中(進行している)という意味です。
それに対して未来完了進行形は、未来のある時点までずっと料理を継続していたという意味です。
例文②
◆未来進行形
I will be waiting for him at 9:00 a.m. tomorrow.
私は明日の朝9時の時点で、彼のことを待っているところだろう。
◆未来完了進行形
I will have been waiting for him for three hours at 9:00 a.m. tomorrow.
私は明日の朝9時の時点で、既に3時間彼のことをずっと待っていたところだろう。
未来進行形は未来の時点(明日の朝9時)で、彼のことを待っている最中だということを表しています。
未来完了進行形は、未来の時点で既にずっと3時間彼のことを待っているだろうということを表しています。
おわりに
未来完了形と未来完了進行形は、他の時制に比べると使われる頻度としては少ないかもしれませんが、この時制でしか表せない意味があるためとても重要です。
是非この記事を通して、未来完了形と未来完了進行形の型と意味を理解していただけると嬉しいです。
最後まで読んでいただきありがとうございました!
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