ifを使った文章は簡単そうですが、実は思っているよりも多くの意味があります。if節に"should"や"were to"という表現が使われたり、また"will"が来たり。それぞれニュアンスも意味も異なるのです。
この記事ではそんなifを使った文章について、基礎から応用まで解説します!
ifは「もし」という意味だと既に知っている方、それだけでは知識が足りないかもしれません。さらにifの知識を深めて差をつけるチャンスです。この記事を通してifの知識をより高め、もっと英語力をUPさせましょう!
なお、仮定法の解説を見たい方は、こちらで解説していますので是非ご覧ください。
目次
if文の型
まずはifを使った条件文の形を見てみます。次の図を見てましょう。
ifを使った条件文は、このような形になります。
①のように、Ifが文頭に来る場合は、カンマが必要になるので注意が必要です。
ifを使った4種類の条件文
実は、条件文には4種類あります。if文を使う上でこれらの意味の違いを知っておくことが重要なので、簡単に4種類の文章を見ておきます。
具体的な例文や解説は次のセクションで行いますので、まずは概観を把握しておきます。
①一般的な事実を述べるif文(The Zero Conditional)
1つ目は、一般的な事実を述べるif文です。これをThe Zero Conditional(ゼロ番目の条件文)といいます。
この形を使うことで、「If節の内容のことが起きれば、必ず主節の内容も起きる」という意味を表せます。
※if節:if+文章の部分のこと
※主節:メインとなる文章(ifの付いていない方の文章)のこと
②可能性を表すif文(The First Conditional)
2つ目は、「もし(未来に)こうなった場合…」という可能性の文章を表します。これはThe First Conditional(1番目の条件文)と言います。
③仮定法過去(The Second Conditional)
仮定法過去というのは、「もし(今)こうだったら・・・」という現在についての仮定を表す文章です。これはThe Second Conditionalといいます。
④仮定法過去完了(The Third Conditional)
仮定法過去完了というのは、「もし(あのとき)こうだったら・・・」という過去についての仮定を表す文章です。こちらはThe Third Conditionalといいます。
③仮定法過去と、④仮定法過去完了のポイントは、どちらも「ありえないことを仮定している」という点です。
これらの仮定法の文章については、こちらの記事で詳しく解説していますので、仮定法についてもっと知りたい場合はこちらご覧ください。
if文をより詳しく
では、「一般的な事実を表す条件文(The Zero Conditional)」と「未来の可能性を表す条件文(The First Conditional)」について、詳しく解説していきます。
一般的な事実を表す条件文(The Zero Conditional)
これは、先ほど少しふれたとおり、「If節の内容が実現したら、必ず主節の内容も実現する」という意味です。
そのため、「仮定」というよりも、単に「事実」を表します。
例文を見てみます。
If you drink too much, you put on weight.
もし飲み過ぎたら、体重が増える。
If you heat ice, it melts.
もし氷を熱すれば、それは溶ける。
どちらも、If節の内容が起きれば、主節の内容も必ず起こるという一般的な事実を表していますね。
「飲み過ぎた」場合、「体重が増える」。「氷を熱した」場合、「氷は溶ける」。両方とも、一般的に当てはまる常識・事実を示しています。
この型の条件文の場合、ifをwhenに書き換えることも可能です。
When you drink too much, you put on weight.
飲み過ぎると、体重が増える。
When you heat ice, it melts.
氷を熱すると、それは溶ける。
これらもifを使った文章と同様、when節の内容が起きれば、主節の内容も起こるという一般的な事実を示します。
未来の可能性を表す条件文(The First Conditional)
基本の形
この文章は、次の形で表すことができます。
注意点は、if節の中では未来を表すwillを使うことができないということです。
例文を見てみましょう。
If it rains tomorrow, we won't go see a movie.
もし明日雨が降れば、映画は観に行かないよ。
If you give me the watch, I will give you the TV.
もしその腕時計をくれれば、そのテレビをあげるよ。
これは、「もしこうなれば」という可能性(仮定)の出来事を表しています。
if節自体は「もし(未来に)こうなれば」という内容なのですが、未来を表すwillは使いません。
主節にはwill以外にもいろいろな助動詞を使うことができます。例文をもう少し見ておきましょう。
If he studies much harder, he can pass the exam.
もし彼がもっと一生懸命勉強すれば、その試験に合格できる。
If you apologize right now, she might forgive you.
もし今すぐ謝れば、彼女はあなたを許すかもしれない。
You should buy the watch if it's on sale.
もしその腕時計がセールで売っているなら、それを買うべきだ。
You must practice a lot more if you want to get better at soccer.
もしもっとサッカーが得意になりたいのであれば、もっと練習しなければならない。
Let me know if you get this message.
このメッセージを受け取ったら、連絡ちょうだい。
このように命令文にもifを付けることができます。「もし・・・したら、こうしてね」と言う意味です。
「if 主語 + should ~」になるif文
if節に、shouldという助動詞が入ることがあります。
この場合、単なる仮定ではなく、「万が一こうなったら」という意味を表します。「もし偶然こうなったら、万が一こうなったら」と、可能性が低かったり偶然起こったりすることを仮定するニュアンスになります。
例文を見てみましょう。
If you should see her tomorrow, tell her I'm looking for her.
もし明日万が一彼女に会ったら、私が探してるって伝えて。
If he should stop by my apartment, tell him I'm out of town.
もし万が一彼が私のアパートに立ち寄ったら、私は遠くにいると言って。
*out of town: 住んでいる地域を離れて遠くにいる
このように、「可能性は低いけどもしこうなったら」という意味になります。
このshouldを使ったif文は、倒置をして同じ意味を表すことができます。
この倒置の形もよく見るので、しっかり覚えておきましょう。
Should you see her tomorrow, tell her I'm looking for her.
=If you should see her tomorrow, tell her I'm looking for her.
もし明日万が一彼女に会ったら、私が探してるって伝えて。
このように、ifを付けずにshouldを文頭に出すことで、同じ仮定を表すことができます。
Should he stop by my apartment, tell him I'm out of town.
=If he should stop by my apartment, tell him I'm out of town.
もし万が一彼が私のアパートに立ち寄ったら、私は遠くにいると言って。
*out of town: 住んでいる地域を離れて遠くにいる
Shouldを文頭に出した時に、どういう語順になっているかはしっかり理解しておきましょう。
「If 主語 + were to ~」のif文
if節に"were to"という表現が入ることもあります。
これも仮定を表し「ほとんどあり得ない」というニュアンスがあります。
例文を見てみましょう。
If I were to lose my job, I will never work again.
もし仕事を失ったら、もう二度と働かない。
If she were to fail the exam tomorrow, she's gonna have to repeat her grade.
もし彼女が明日の試験に失敗するようなことがあれば、彼女は留年しなければならない。
*repeat a grade: 留年する(直訳すれば「学年を繰り返す」という意味)
こちらも倒置をして同じ意味を表すことができます。
Were I to lose my job, I will never work again.
もし仕事を失ったら、もう二度と働かない。
Were she to fail the exam tomorrow, she's gonna have to repeat her grade.
もし彼女が明日の試験に失敗するようなことがあれば、彼女は留年しなければならない。
こちらについても、倒置した時の語順をしっかり覚えておきましょう。
if節にwillは使える
英語を学習すると、「if節にwillは使えません」という解説を一度は見ると思います。
これは厳密に言うと正しくありません。実際、if節の中にwillを使う場合もあるのです。
ここでは、どういった場合にif節にwillが使われるかを見ます。
①if節が、主節の後に起こる場合
次の文章を見てみましょう。
If it will make you feel any better, I will give you this candy.
もしそれ(主節の内容)であなたの気分が少しでも良くなるのであれば、このキャンディーをあげるよ。
このif節の仮定(あなたの気分が良くなるなら)は、主節の内容(キャンディーをあげる)の後で起こることですね。
ちょっとわかりにくいかもしれないので、次の図を見てみましょう。
このように、「主節の内容が起きた後でこうなるなら、こうするよ」という意味ですね。
If these pills will reduce migraine pain, I will take some after dinner.
もしこの錠剤が片頭痛の痛みを和らげるなら、それを夕食後に飲むよ。
これも順序としては「夕食後に飲む」⇒「片頭痛の痛みを和らげる」ですね。
このように、A⇒Bの順序で起こるときに、「(もしAをすることで)Bになるなら、Aをする」という時間軸を表す場合に、willが使われます。
初めからこの用法を使いこなすことは難しいので、もし出てきた時にここに戻ってこられるように覚えておきましょう。
if文に慣れてくれば、なんとなく感覚的に分かるようになってくるので、すぐに理解できなくても大丈夫です。
②willが「意思」を表す場合
willは未来という意味だけではなく、「意思」も表すことができます。
例文を見てみましょう。
I will go out if you will hang out with your friends.
もしあなたが友達と遊ぶつもりなら、私は外出するよ。
*hang out with: ~と遊ぶ(しゃべったり映画を一緒に見たり、一緒にゆっくり時間を過ごすこと)
If you will keep smoking, I have to break up with you.
もしあなたが喫煙を続けるつもりなら、あなたとは別れないといけないわ。
*break up with: ~と別れる
このように、「~するつもりなら」という意味で使われる場合、willはif節の中に来ます。
この場合、be going toを使ってもほとんど同じ意味を表すことができます。
I will go out if you are going to hang out with your friends.
もしあなたが友達と遊ぶつもりなら、私は外出するよ。
If you are going to keep smoking, I have to break up with you.
もしあなたが喫煙を続けるつもりなら、あなたとは別れないといけないわ。
おわりに
いかがでしたか?ifを使った条件文は簡単そうで、意外と奥が深いです。何かを「仮定」する場合はよく使われる構文なので、是非理解しておいてくださいね!
これが理解できれば、次は「あり得ないこと」を仮定する仮定法について学習を進められます。仮定法は、文章の形は少し複雑ですが、同じ「仮定」なので是非恐れずにチャレンジしてみてくださいね。
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最後まで読んでいただきありがとうございました!